皇都ナンテールの冒険者ギルド2
アイメリックから、皇都ダンジョンへの派遣を求められて困惑するジェロ。
「一体どういうことですか?」
「実は」
アイメリックが言うのに、葬儀とその後の戴冠式のために各国の使者だけでなく自国内でも大量の人員が皇都に集まっている。しかしそれだけの人員をまかなうには食料に不安があり、冒険者ギルドに食材調達の依頼が大量に来ているとのこと。
しかも、皇都の周りで各国の軍隊がとどまれる場所を確保するために、一部の農地は耕作を停止しているようで、さらに不安が高まっているらしい。
「それと、いつもなら兵士の訓練としてダンジョンに派遣されている騎士団や衛兵たちも警備などに手を取られており……」
特に騎士団は武闘派が多いだろうから、余計に他のことをしているのかもと思ってしまうジェロたち。
「わかりました。あの時には、アイメリックさんたちこちらの冒険者ギルドの皆さんにお世話になったわけですし」
「本当ですか!ありがとうございます」
「でも、私たちは外交使節として来ておりますので、期待されるほどのことは……」
「何をおっしゃいますか。皆さんのお力ならばその辺の冒険者たちが何日もかかることをすぐに対応してくれると期待しておりますよ」
お礼の挨拶のために訪れたので断りづらいこともあり、一応はお付き合い程度のことはするつもりである。
屋敷に戻り皆にその旨を話す。
「わざとではなかったのですか?」
リスチーヌが首を傾げながら聞いてくる。
「え?どう言うこと?」
素直に聞いてしまうジェロ。




