皇都ナンテールの冒険者ギルド
気疲ればかりする、ラーフェン解放軍の司令官・副官だった者たちとの挨拶も終わり、今度はジェロたちだけで冒険者ギルドに訪れている。
解放軍で冒険者を引率していた、ギルド本部勤めで金級相当の事務職員であるアイメリックへの挨拶のためである。
ラーフェン王国のジルバーハイン騎士団長とレーハーゲル魔術師団副団長からは、自分たちが一緒に行くには微妙な立場ということで遠慮されている。
確かに、ある意味でユニオール皇国が雇用した扱いの冒険者たちであるので、ラーフェン王国の幹部が、というのは変な勘ぐりも生みかねない。
ジェロは冒険者ギルド職員の立場も残っている等を理由に、気にしないことにした。
「アイメリック様、あの節は大変お世話になりました」
「え!?もしかしてテルガニ侯爵ですか?このようなところへ?」
面倒を避けるために、事前には単に面談の調整をお願いしただけであり、ジェロとヴァルとリスチーヌの3人での訪問はかなり驚かせてしまったようである。
「いえいえ、冒険者ギルドとしてもちゃんと皇国から報酬もありましたし、彼らの良い経験になりましたので。皆様との交流も大変価値のあるものでしたし」
「そう言って頂けると幸いです」
「あ、もしかして葬儀などにいらっしゃったのですか?」
「はい」
「ということはしばらく滞在されるのですね?」
逃げ道をなくさないように詰めてくることに不安を感じる。
「テルガニ侯爵、きっと配下の方々もいらっしゃるのですよね?皇都ダンジョンに派遣して貰えないでしょうか。もちろん閣下ご自身が向かって頂くのも大歓迎です」




