かつてのラーフェン解放軍達3
「テルガニ殿はなかなか見どころがあるな。小国の貴族にしておくには勿体無い」
「おそれいります。しかし、私ごときには今でも十分に過分な立場でして」
ジェロは苦手な相手と思いつつ、コンヴィル王国の代表として最低限のことは、と自分に喝を入れながら応対する。
「そうか?ドラゴンを何体も連れてきた話も聞き及んでいる。穏健派などと交流を深めるのではなく、せっかく皇都に来ているのであるから我ら騎士団との交流を意識した方が良いぞ」
「んん!」
流石に他国との交流の場で、アルノワが武闘派と穏健派の政治的なことを発言するのはドゥケとしても見逃すわけにいかず、割ってはいる。
「皆様もお忙しいところに足を運んでいただきかたじけなかったです。また貴重な品も頂戴しましたが、これからはこのようなお気を遣っていただくことなく、同盟国として交流いただけるとありがたいです」
「そうおっしゃっていただけること、ありがたい限りです。今後とも何卒よろしくお願いします」
ドゥケの締めに向けた言葉に、ジルバーハインも締めの言葉を返して、この場は解散になる。
「色々と失礼を申し訳ありませんでした。機会がありましたら、魔法使い同士で意見交換など交流をさせていただけたら幸いです」
場が解散になり、仲の良いレーハーゲルがジェロに話しかけているところにデュクロが声をかけてくる。
「それは、それは。大国であるユニオール皇国の魔術師団の方と交流させて頂けるとは大変光栄です」
「いえいえ、ムスターデ帝国を追い出されたテルガニ侯爵をようするラーフェン王国、そしてその魔術師団の方々とはぜひ」
脳筋のアルノワとの会話より、明らかに頭脳明晰で何を裏に考えているか推測できないデュクロとの会話の方が、レーハーゲルがほとんど発言しているのに、疲れてしまうジェロであった。




