かつてのラーフェン解放軍達2
結局、かつてのラーフェン解放軍の司令官たちへの挨拶には、現在のラーフェン王国騎士団長のクラウス・ジルバーハインと、魔術師団副団長のハンネマン・レーハーゲルが同行することになった。
「わざわざのご挨拶、かたじけないことです」
そして、その挨拶相手は、解放軍の司令官であった騎士団のアクセル・ドゥケ侯爵、副官であった騎士団のジョルジュ・アルノワ伯爵、同じく副官であった魔術師団のマテオ・デュクロ伯爵である。
ラーフェン王国、そしてジェロたちの挨拶に対してドゥケは尊大な対応を取らず、礼を口にする。
3人には、ラーフェン王国から手土産を用意していたようである。有名な鍛冶職人の手によるロングソードを一振りずつであった。
贈答用であるので装飾された鞘に入っているのだが、脳筋のアルノワはすぐに刀身を確認する。
このような場で、一言の断りもなく武器を手にする無礼な態度にドゥケとデュクロは恥と思っても口には出さない。
「ほぉ、これはなかなか。ラーフェンの復興も順調ということだな」
「は、喜んでいただき幸いです。皆様方のご支援のおかげで何とか」
ジルバーハインはその無礼な行動や発言に対しても、感情を表すことなく素直にお礼を伝える。
「こちらはコンヴィル王国からになります」
ジェロは事前に確認していたラーフェン王国の手土産に格差をつけすぎないように、ドラゴン素材の武器ではあるが一番小さな短剣を選んで3人に差し出す。
装飾もドラゴンの紋様を刻んだものであり、小さいとはいえ価値はすぐにわかったようで、こちらも無断で鞘をはらい刀身を確認するアルノワ。
「これはまさか」
「はい、ドラゴンの牙から削り出したものになります」




