かつてのラーフェン解放軍達
「ジェロ!おはよう!」
「お義兄様、おはようございます」
ヒルデリン国王とアンネ女王の二人に挨拶をされ、改めて皆を皇都の自分の屋敷に泊めたことを自覚するジェロ。
自分もまだ慣れていない屋敷ではあるが、雇用されていた執事たちはさすがであり、急な来客に対しても失礼のないよう部屋のセットや食事の用意などを行ってくれた。
「我らのご主人様が、他国の国王陛下たちにお泊り頂けるような方であることを改めて認識しました。そのような方にお仕えできて光栄の限りです」
感謝の言葉を伝えると逆にそのような言葉を返される。マドロールたちはこのような人をどうやって探して雇用するのか、と思ってしまう。
「ではまた」
ベルカイム王国のアンたちだけでなく、ラーフェン王国のルネリエルも泊まったのだが、食事などにも満足して貰えたようで、笑顔で自分たちの拠点に戻っていくのを見送る。
「ふぅ」
「ジェロ様、お疲れ様でした。大きなお仕事を終えられた感じですね」
「リスチーヌ達もお疲れ様」
「ですが、ジェロ様……」
「そうだよね……」
「はい、お疲れのところですが、後少しお会いしておかないといけない方々が」
「そこにはラーフェン王国の皆さんとも行かないとね」
「はい。ラーフェン解放の軍を率いられた司令官であったアクセル・ドゥケ侯爵たちには、あれ以来お会いできておりませんし、皇都に来ておりますので」
「先方の都合を伺ってから、レーハーゲル副団長に相談することにしようか」
「はい、騎士団と魔術師団にそれぞれ確認させて貰いましょう。ドゥケ侯爵が皇都にいらっしゃることは確認済みですので」
「流石だね。助かるよ」
ジェロのお礼に照れるリスチーヌがかわいらしい。




