皇都での皇太子との意識合わせ2

　皇太子から、もし葬儀や戴冠式あたりで武闘派が何かして来ても落ち着いて行動して欲しいと頼まれた一行。

「もちろんそのようにさせて頂きますが、どうして我々なのかお伺いしてもよろしいでしょうか」

　一番縁がなかったはずのメンヒルト王女が思い切って質問をする。

「そうですね。皆様の4カ国の結束が強そうだから、ですかね」

「？」

「特にテルガニ侯爵を中心に、過去に類が無いほどに連携をされていることが伺えます。今回もご一緒にお越し頂いたように。また、そのテルガニ侯爵による武力、ドラゴンなどの力も強くなっていることがあります」

「というのは？」

「皆さんが一番、何があっても実力も伴って落ち着いた行動を取れるということです。他の南方や東方の国々はムスターデ帝国の顔色を伺うところも多いのが普通です。皆さんは帝国を追い出して再び独立されたことなど、帝国に対しても屈することがない強い意志をお持ちです」

　その帝国に屈しないということに関しては各国とも力強く頷く。

「まさか、武闘派は帝国と結託するということが？」

「いえ、メンヒルト王女。流石に彼らもそのようなことは無いと思います。ただ、そういうこともする可能性を周囲の者が考えてしまうのは仕方ないことです」

「わかりました。私たちが堂々としていたら、皇太子殿下たちのことを心配もしていないと伝わり、自分たちも不安になることが無いと周りも納得するのですね」

「はい、不躾なお願いですが」

　特に反対する内容でもないし、逆にそれで皇太子がありがたいと思って貰えるならばこの場できちんと了承する旨を伝えることに意味があると認識する一行。