皇都での皇太子との面談
「侯爵閣下、サリニャック子爵からのご連絡が来ております」
まだ慣れていない皇都での屋敷で、執事が持って来てくれた書状を見て驚く。
「この場所って、以前にサリニャック子爵のご案内でジャムス皇太子とお会いしたところだよ」
「つまり、そういうことでしょうね」
「可能であれば各国の皆様も、と書かれているし、急いで連絡を取らないと」
何で自分にと思ってしまうが、自分の伝手で各国の者たちをサリニャック子爵に会わせたのだから当たり前の話ではある。
ため息をつきながら、まずはルグミーヌ王国のメンヒルト王女とトリアウエ騎士団長に伝えに行く。
「なんと。流石はテルガニ侯爵。ぜひご同席させてください」
「もちろんです。ただ、以前にラーフェン王国の戴冠式でもお会いされているのですよね?」
「あのときのご挨拶など本当の挨拶程度で。次々と挨拶されている中の1人でしかありません」
そう言われるとそうかもしれない。
となると、ベルカイム王国とラーフェン王国の反応も普通ならば、と思う。
そして、ベルカイム王国ではプランケット魔術師団長が当然の反応としていう。
「ぜひともアンネ女王とヒルデリン国王も同席させて頂きましょう」
またラーフェン王国側でも、なぜ私に直接言いに来ない?と言いながらレーハーゲル魔術師団副団長との相談の場に割り込んで来たルネリエル国王が同席すると宣言する。
「こんなに王族ばかりを連れて行っていいのだろうか……大人数になるし」
「先方がそれも分かった上で、各国の皆様も、と書かれているのですから大丈夫でしょう」




