皇都での挨拶3
「これは皆様お揃いで。私などにこのような……」
今度は皇太子派閥のジョスラン・サリニャック子爵への挨拶である。
ベルカイム王国からイニャス・プランケット魔術師団長も同席している。
「以前にこちらのテルガニ侯爵からワイバーンの討伐証明をお渡しした際、皇太子殿下にお会いできるようなご調整まで行って頂いたこと、大変感謝しております」
この魔術師団長が魔法を使うところを見たことはないが、本当に口が達者であるとジェロは思ってしまう。しかし、彼のおかげで自分が話す必要がないのはありがたい。
「いえいえ。あの折には北方の皇国民が困っていたのを助けて頂いた上に、穏健派と武闘派の関係性のことまで考慮いただいた上での我々への尻尾のご提供。こちらこそ大変感謝いたします。その旨を皇太子殿下も直接お話されたかっただけのこと」
適当なところで、ルグミーヌ王国のメンヒルト王女とトリアウエ騎士団長の紹介も行う。
「誠にご丁寧なご挨拶、痛み入ります。上席の者にもお預かりした物を渡すとともにそのお気持ちを伝えておきますので」
「いえ、こちらはサリニャック子爵に納めて頂きたいものになります。もしよろしければその上席の方にはこちらをお渡し頂けましたら」
「そんな、私などが受け取るには。また改めて上席の者とご挨拶の機会を設けさせていただけましたら」
ジェロは、前世日本での会社員同士のやり取りを思い出してしまう。それくらい他人事としてその光景を見てしまっていた。
ベルカイム王国を介した挨拶も終えたところで、ラーフェン王国魔術師団副団長のレーハーゲルからジェロに相談が来る。
「我々も、コンヴィル王国の戴冠式で面識のあったモンレアル侯爵にはご挨拶はできたのですが、他の伝手がなく」
その結果、ラーフェン王国のジルバーハイン騎士団長とレーハーゲル魔術師団副団長がサリニャック子爵と面談する場にもジェロは立ち会うことになってしまう。




