皇都での挨拶2
「なるほど。我らがユニオール皇国との交流を深められたいと。殊勝なお話ですな」
面談した皇国の外交畑であるシャルル・モンレアル侯爵は相変わらず失礼である。
しかし、こちらの参加者もそれは事前に覚悟済みであったので顔に出さないのは流石である。
「はい。今までは遠方を言い訳に疎遠でございましたが、これからはどうぞよしなに。こちらはルグミーヌ王国の特産品になります」
トリアウエらしいいつもの物腰の柔らかさで返答を行い、その横でメンヒルト王女も大人の対応をしている。
「お国は山国とのお話ですが、やはり特産は木製なのですかな」
「はい。ご認識いただけ幸いです。エルフの者たちも棲んでおり、彼らの作る弓や魔道具になります」
「ほほぉ、それは、それは」
土産物で機嫌を良くして貰ったのか、特に荒れることなどはなく面談を終えて、皇城の中で事前に確保していた部屋に戻る一行。
「皆様、お疲れ様でした。無事に終わりましたね」
ムランがメンヒルト達を含めた皆に頭を下げる。
「ご調整ありがとうございました。なにぶんルグミーヌには伝手がありませんので」
ここでも腰の低いトリアウエ騎士団長。
「いえいえ。我々コンヴィル王国のお土産も、テルガニ侯爵にご用意いただいたドラゴンの爪素材の品でしたが、それよりもエルフ由来の方に興味を持って頂いたようで」
「遠方で珍しかったのかと。魔道具と言っても単にエルフが作っただけの簡易な灯り道具ですから」
「そのエルフ製という言葉が大事なのですよ」
特に自分は本当の挨拶程度しかしていなかったのに疲労感がいっぱいで、この仲間内での会話にも加われないジェロであった。




