ユニオール皇国へ入国3
そしてようやくユニオール皇国の皇都ナンテールに到着である。
各国の使節団だけでなく、皇国内の幹部達も葬儀や戴冠式に参列するために多くの部隊が集結して来ているのが見える。
それが全て皇都内に入り切るわけがなく、皇都の周りには野営地がたくさんできている。
「皆様の場所を確認して来ますので、このままお待ちください」
国境から案内をしてくれた衛兵が城門のところへ騎乗して駆けていく。
確かに好き勝手に場所取りをすると騒動のもとであるのはわかる。それに流石に皇都の周りであり、手付かずの空き地がそれほどあるわけでないので、余計に事前に官僚達が借上の調整などをしてくれているのだと思われる。
「お待たせしました。こちらが各国の割り当て地図になります」
ベルカイム王国、ラーフェン王国、コンヴィル王国、ルグミーヌ王国それぞれの割り当てを書いてくれているが、こちらの人数というよりドラゴンの数を事前予測はできていなかったようである。
また、ルグミーヌ王国のことは想定していなかったようで、無理矢理の感じがある。
「ま、仕方ないですね」
ベルカイム王国は、もともと皇都に使節団用の屋敷がある。そこにドラゴン以外はほぼ収容可能である。
ラーフェン王国は、皇都に屋敷を調達できていなかったので、ルネリエル国王達の一部を除いて野営になる。国王達は皇都内の高級宿を確保しているようである。
ルグミーヌ王国も、もともと屋敷があるわけがないので騎士団のほとんどは野営を想定していた。
「ジェロマン様達はどうされるのですか?メンヒルト王女だけはそちらに一緒にお願いできればと」
トリアウエ騎士団長が相談してくる。




