リブルドーの出発3
コンヴィル王国の最後尾も南門を出て、長いパレードも終わりとなる。
パレード先頭であったラーフェン王国の使節団から順番に、そこにとどまると邪魔になるのですでに東のユニオール皇国に向けて移動を開始している。
「やっと終わったね。ジョエル達もお疲れ様」
優しく騎乗していたドラゴンを撫でた後、馬車に移動する。
ドラゴン達は地上を歩くことの方が疲れる気配なので、街道をいく旅人達を驚かせない程度に上空を飛ばせることにする。
ラーフェン王国など他の国のドラゴンもすでに上空に開放されているようである。
「テルガニ侯爵、ドラゴンの借用、ありがとうございました。ルグミーヌ王国だけドラゴンに騎乗しないとならずに済んだだけでなく、コンスタン様とルッツまで。その分、コンヴィル王国のテルガニ侯爵のパレードが最後尾で寂しいことに。申し訳ありません」
「メンヒルト王女、それはもう先に話し合ったことですよね」
「そうですよ。それにリブルドーの街の方々には、ムスターデ帝国との戦争の折にジェロ様のことは十分に知れ渡っているのですからご心配されなくても」
「ははは。それもそれで……」
「さぁ、ここからしばらくはまたルグミーヌ王国の使節団とテルガニ家は一体で移動ですね。気楽にいきましょうね」
その言葉の通り、ベルカイム王国内ではパレードをする必要のある街もなく、ずっと東進してユニオール皇国を目指す。
馬車での移動は≪飛翔≫に比べてあまりに暇なのでジェロが夜中に≪飛翔≫で飛び出すのをリスチーヌに見つかり怒られる。そして結局は2人で夜空の散歩をすることになったことは家中に知れ渡り、生暖かく見守られることになった。




