リブルドーの出発2
「住民にしたら、到着の時のパレード、そしてこの出発の時の長いパレード。大変じゃないのかな」
「いえいえ、娯楽として楽しむのが民というものですよ」
身近では一般住民の感覚が一番あるはずのリスチーヌにこっそり聞いてしまうジェロ。
それもそのはずで。
今はジェロもパレードの最後尾で待機しているところである。
まずは外国のラーフェン王国の国王であるルネリエルが先頭に。
到着のときと同様にドラゴンのドゥドゥに騎乗して進む。
そして、自国であるベルカイム王国のアンネ女王とヒルデリン国王がそれぞれドラゴンのシュシュとラヴィに騎乗。
その次は、外国の王女であるルグミーヌ王国のメンヒルト王女。
彼女だけドラゴンに騎乗しないわけにもいかないので、ティティを貸し出して騎乗させ、横にはワイバーンのルッツに騎乗したコンスタンが飛ぶ。
ようやく最後が、王族が来ていないコンヴィル王国であり、つまりジェロ達である。
ジェロとリスチーヌがジョエルに同乗し、ヴァルがレミに騎乗して進む。
パレードにはドラゴンだけでなく騎士団や魔術師団もいるのだが、とても代官館から全てが出発して移動することはできない。そのため、まず侍女や荷物などの馬車は街の南側に先に出て待機させつつ、パレードに参加する各国の団員達は北門から順次街に入ってくるような段取りである。
ジェロがリスチーヌに聞いてしまうのも当然という状態である。
この騒動に遭遇してしまった旅人や商人は北門も南門も使用できず、街の住民も店を閉めてパレード見学に行っているので困っていると思われるのであった。




