リブルドーでの集合3
街の外でアンネ女王とヒルデリン国王が通るのを見た後は、その一行がそのままリブルドーの街でパレードになるのも見守る。
ドラゴン2体は地上を歩くように変わり、アンとヒルデリンそれぞれに女魔人が同乗して進む姿を住民に見せている。
「ジェロ!」
パレードも終わり、リブルドーの街の代官館での対面時間である。
公式の挨拶も終わり私的な時間となった途端に、ヒルデリンがジェロのところに駆け寄ってくる。
ジェロもしゃがみながらそのヒルデリンの相手をする。
「姉上が来られないのは残念だけど、ジェロがいると嬉しい」
「はい。モーネ様はお腹が大きいので、今回は無理をできないので」
「ジェロマンお義兄様。この度はどうぞよろしくお願いします」
「アンネ女王。私はベルカイムでの1家臣でもありますので」
「私だけ家族扱いをして貰えないのでしょうか?」
「あ、いえ、そのような。わかりました。アン様もお元気そうで何よりです」
王女として育てられて来たからか、幼いとはいえ、ジェロはやり取りしても勝てると思えない。
「アンネ女王、ヒルデリン国王。先ほどもご挨拶させていただきましたが、改めて。こちらはルグミーヌ王国のメンヒルト王女です」
「皇都ナンテールまでご一緒させていただきます。どうぞよろしくお願いします」
コンヴィル王国の外交官のムラン伯爵、カルカイム子爵は離席しているが、同席しているベルカイム王国のプランケット魔術師団長はその光景を見て静かに頷いている。
「ラーフェン王国のルネリエル国王陛下も明日には到着されるとのことです」
「では、ユニオール皇国に向けてすぐに出発ですね。皇国の西方の4カ国が揃って向かうとなると、皇国の方々にも結束の良さを認識して貰えることでしょう」
プランケットの発言は、属国扱いであったベルカイムを軽視されなくなると喜んでいるのか、ジェロには受け取り方が難しい。




