リブルドーでの集合
ワコローズの街では、ヘルツォークより貫禄がなさそうな扱いを受けてショックではあったが、逆にヘルツォーク達が街の住民から嫌悪されるような行為をしていなかったことがわかり安心する。
「ジェロマン様、申し訳ありませんでした。私たちのことを慮ってくださったために、恥をかかせるようなことになってしまい」
「ヘルツォーク、大丈夫だよ。安心したよ。職員さん達にも信頼されていたようだし」
「はぁ……」
「もう過度に後ろめたく思わなくて良いって分かったよね。これからは街の外で野営するなんて言わないでね」
ヘルツォークはジェロの気遣いに頭を下げる。テルヴァルデに残してきた他のノルトマン地方出身の者たちにもこのことを共有し、ますますテルガニ家のために働くつもりである。
「さぁ、ジェロ様。次はリブルドーの街ですね」
「あぁ、あそこではベルカイム王国とラーフェン王国それぞれの使節団とも合流する予定だから、街には入りきれないよな」
このワコローズの街でもドラゴン達を眠らせる場所がなかったので、適当に狩りに行かせていた。
もし他2国も合流すると、さらにドラゴンが3体も増えるのである。
「いえいえ、ドラゴンどころか騎士団など人間も入りきれませんよ」
「確かに、高級な宿もそこまでの数がないだろうし、王族の方々だけ街中に宿泊して、残りは野営かな」
「ジェロ様もその街中の方ですからね」
「う」
「コンヴィル王国の代表なんですから、そのことを忘れないようにしてくださいよ」
リスチーヌに指摘されないと、仲間達と街の外で寝るつもりだったジェロ。




