ワコローズの通過2
ワコローズの街には、王女であるメンヒルトがいるルグミーヌ王国の使節団が先に入り、その後にコンヴィル王国が続くことにする。
「ルグミーヌ王国?あのエルフが住んでいるとかいう魔法国家か?また遠いところから」
「なんだ、お前知らないのか?王女様はあのテルガニ侯爵のところで暮らしているんだぜ?」
「まさか!すでにラーフェン王国のモーネ王女と結婚されたのに?」
「あ、違うんだ。侯爵ではなくそこの将軍に嫁ぎに来られたんだせ。詳しくは知らないが、何か物語のような出会い方があったらしい」
物知りな住民が話を広めていることまでは、パレードの主役達には聞こえてこない。
また逆に、その話題に上がったエルフの魔法使いが2人、ルグミーヌ王国の騎士団の近くで行軍している魔法使い集団にいることは、住民に気づかれていない。
さらに、10人以上もいる魔法使い集団の数は、流石はルグミーヌ王国と言われており、全員がテルガニ侯爵家の魔術師団であることも気づかれていない。
「次はコンヴィル王国か。お隣の国だが、山脈があってなかなか交流は少なかったんだよな」
「でも、この街をムスターデ帝国から解放してくれたテルガニ侯爵は、元々はコンヴィル王国の方だぞ。ほら、そちらの一行の中で中心にいるじゃないか」
「あれ?侯爵なのに馬車に乗らないのか?それにしても騎士団と並んでも見劣りしない体格だな」
「本当だよな。魔法の凄さで今の地位を築かれたようなものなのに」
結果、ヘルツォークが心配していたような、元ノルトマン王国出身でムスターデ帝国軍であった者たちがそのテルガニ侯爵家の騎士団になっていることは、住民の誰もが気づかなかったようである。




