皇国への使節団出発
「では行ってきます」
モーネたち留守番組に対して出発の挨拶をするジェロ。
ユニオール皇国の皇帝崩御での葬儀と、皇太子の戴冠式に列席するためである。
皇太子に対して、武官系を中心とする武闘派の動きが怪しいと以前から言われていたので、何かが起こる可能性を踏まえた参列にはなる。
ジェロはドラゴンのジョエル、ティティ、レミという3体の従魔を連れ、コンスタンはワイバーンのルッツに騎乗しての出発である。
コンヴィル王国の外交官であるムラン伯爵、カルカイム子爵、王国騎士団のヴァランタン伯爵、ラプラード子爵、ジュリユー準男爵も、それぞれ馬車や騎馬で同行する。
ルグミーヌ王国の王国騎士団長のトリアウエ以下、騎士団員達も出発している。
最終的にテルガニ侯爵家からは、当主のジェロ、妻のヴァルとリスチーヌ、将軍であるコンスタン以外に、ヘルツォーク以下の青龍騎士団300騎のうち30騎、アルマティ以下の魔術師団のうち第1隊の11人が同行する。
コンスタンの妻になったルグミーヌ王国の王女であるメンヒルトはその王女の立場として馬車に乗っている。その侍女たちも同行する。
そして、テルヴァルデの領主館で勤務していた執事や侍女たちも、ムラン伯爵たち貴族の対応をするために同行するし、御用商人であるアナトマが用意してくれた下働きの者たちも同行する。
その人数の食料などは魔法の袋に入れてもいるが、戦闘員以外の隊列も大きい方が見栄えが良いという意見に従い、荷馬車もそれぞれが引きつれることになったので、大所帯である。
そこに上空にはドラゴンたちもいるのである。




