ルグミーヌ王国の皇国への使節団
コンヴィル王国の王都ミューコンから外交官や騎士団が到着し、テルガニ侯爵家として同行する青龍騎士団との顔合わせなども終わった頃。
続いて、ルグミーヌ王国からの使節団も到着する。
「テルガニ侯爵、お言葉に甘えさせていただき、ここまでやってまいりました」
「トリアウエ団長、そのような。どうぞあちらにご移動を」
相変わらず腰がひくいトリアウエ。
「そうですか。コンヴィル王国は外交官と騎士団が……」
まるで見劣りしてしまうと謙遜しそうなトリアウエ。
「いえいえ、ルグミーヌ王国としては、王国騎士団長のトリアウエ様がいらっしゃれば。ラーフェン王国の戴冠式でもユニオール皇国のジャムス皇太子とご挨拶されていますよね。団長が外交活動されたようなもので」
「いえ、あのときもメンヒルト王女とご一緒させて頂いただけですから」
「では、今回もメンヒルト王女とご一緒ですから、他国と比較されることもないかと」
「メンヒルト様」
「トリアウエ、よく来たわね。どう?このテルヴァルデは?」
「はい、大変綺麗に整備されていますし、活気にもあふれています。とても開拓地という言葉で想像できる場所ではありません」
「そうでしょう?私はここでコンスタン様と幸せに暮らしています。父上達にもきちんと伝えてね」
「はい。陛下もそのことについては心配されておりませんでした。ですが、言葉だけでなくお会いできて嬉しゅうございます」
ラーフェン王国への出征も含めて何かとこの2人は一緒であった。ルグミーヌ王国はエルフ村もあり魔法優位ということから騎士団の扱いが低いこともあったのであろう。
しかし、この2人の関係性は良好であり、今回のユニオール皇国の式典参列を言い訳に、トリアウエに対してメンヒルトの顔を見る機会を与える口実でもあったと思われる。




