皇国からの招待状
ユニオール皇国の皇帝訃報の後の各国とのやりとりが終わった頃に、皇帝の葬儀そして皇太子の戴冠式の招待状が届く。
「え、招待状が届いたことの各国からの知らせではなく?」
「はい、ジャムス・ユニオール皇太子からジェロ様への招待状のようです」
慌てて確認すると、流石に文面は右筆が書かれた一般的なものだったが、サインだけでなく自筆と思われる追伸があった。
「コンヴィル王国、ラーフェン王国、ベルカイム王国のいずれかもしくは複数の使節に呼ばれると思うが、そうでなくてもテルガニ侯爵にはぜひ参列いただきたい、と書いてある」
「流石はジェロ様。大国のムスターデ帝国に警戒されるだけでなく、同じく大国のユニオール皇国の新皇帝からも気をつかわれるなんて」
「こんな大層なものを頂いてしまって、とても喜べない……」
世間からは誰からも認められる大貴族になったのに、偉そうな態度をしないどころか、そういうことにいつまでもそのような態度のジェロを見て、微妙な顔の仲間たち。
「ジェロ様、そろそろ慣れて頂かないと。王女様を奥様に迎えられた、3カ国から侯爵を叙爵された大貴族ですよ」
「う……」
「ま、それで偉そうにしないのもジェロ様の良いところですが、もし他の貴族に舐められると家臣や領民にとっては良いことでは無いですよ」
「そうか……」
「はい、この機会にテルガニ侯爵というのは一目を置かなくてはならない存在であると見せつけて来てくださいね」
マドロールからは厳しい言葉をかけられ考え込みながら私的エリアに消えていくジェロ。
「マドロール、言い過ぎだったのでは?」
「ジェロ様ならすぐに変わられなくても意識はされますよ。それに今回で変わられなくても、行かれるだけで周りが一目を置いてくれるようになりますよ。各国のドラゴンもジェロ様由来であると伝われば」
「マドロールって怖いわね」
「お褒めいただき光栄です」




