各国からの指示書2
ベルカイム王国、コンヴィル王国に続いて指示書が来たのはラーフェン王国である。
「おそらく、ルネリエル国王が自ら赴かれることに反対する貴族たちがいて、決定するのに時間がかかったのかと」
「でも、どうやって説得したのかな」
「このベルカイム王国とリブルドーで合流という表現を拝見しますと、そちらの情報が届いたことかと」
ラーフェン王国もルネリエルに提供したドラゴンのドゥドゥを連れて行くので、ジェロにもドラゴンで来るように、と書かれていたのである。それもベルカイム王国のドラゴンたちと一緒にリブルドーで合流するように、と。
国王のルネリエル自身が向かうことに反対していた貴族のほとんどは、ムスターデ帝国を追い出す協力をして貰ったことに感謝はするがユニオール皇国の属国ではない、という言い分だったのであろう。
しかし、ラーフェン王族でもあるベルカイムのヒルデリン国王、ラーフェン貴族でもあるテルガニ侯爵、そして自分たちのルネリエル国王がドラゴンに騎乗して赴けば、こちらの国力を侮ることができない威圧行為になると考え直したのだと思われる。
「モーネ様に対しても、ヒルデリンとも合流できるのでよければ一緒に向かいたかったとありながら、まずは懐妊への祝辞と、そんなときにジェロ様を連れ出すことへの謝辞があるのがルネリエル様らしいですね」
「これも指示書というより依頼のような表現で、しかもご本人の直筆と思われるのが申し訳ないね」
「それだけジェロ様のことを意識されているのですよ」




