ユニオール皇国からの訃報3
「私はもちろん付いて行きますよ」
ユニオール皇国の葬儀と戴冠式に、ジェロ以外で一緒に行くとリスチーヌが宣言する。
「ま、私もね」
ヴァルも自身のことは確定と思っているようである。
「ご自身も侯爵としての身分で行かれるのでしたら、それなりの人数で向かわないと派遣した国の面子を指摘されることになるかと」
「ということは、いつものように少人数で≪飛翔≫で飛んで行ってはダメということか……」
「はい。各国とも、式典への招待の案内が届く前に、時間のかかる部隊は派遣の準備を開始すると思います。もしかすると本隊より先に出発する可能性も」
テルヴァルデは山脈の街道が整備されたので、他国よりは出発が遅くても、リブルドー経由で皇都ナンテールに向かえば何とかなると思われる。
しかし、もしもベルカイム王国の王都ルージャンにアンネ女王とヒルデリン国王を迎えに行くのであれば早めに出発する必要がある。
「テルガニ侯爵、もし私も母国から連絡があれば同行させて頂いてもよろしいでしょうか?」
「メンヒルト王女。なるほど、その可能性も考える必要がありますね。もちろんです。コンスタンと一緒に向かいましょう」
「ありがとうございます」
その話も踏まえると、元ミュンヒの黒龍騎士団と元ノルトマンの青龍騎士団のどちらかもしくは両方を軸に騎馬隊、そしてベルカイム王国からの話次第ではドラゴンやワイバーンで向かうことも想定することになった。
「ミュンヒの部隊は、ラーフェン王国南部でムスターデ帝国を排除する戦いに遠征したから、ノルトマンの部隊の方が良いかな」
「ジェロ様のご判断に従います」
ディートマルとヘルツォークのどちらもそういうので、紺色装備の青龍騎士団に出張の準備をさせることにする。




