アーロルトの待遇2
「アグネスタさん、新たな魔術師団員です。ジェロマン様ともお話は済んでおります。第1隊への配属をお願いします」
魔術師団員を集めたところで、アルマティがアーロルトを紹介する。
「アーロルトです。ルグミーヌ王国のエルフ村から来ました。どうぞよろしくお願いします」
頭の帽子も取り耳もあらわにして、皆に挨拶している。
「エルフ村!アルマティ団長とのご関係は?」
軍隊らしくない雰囲気が普通になっているこの魔術師団。アルマティも本当の軍隊らしさを経験していないので、ジェロたちの冒険者仲間の雰囲気に近しいこちらで良いと思っている。
「アルマティさんは記憶に無いようですが、おそらく同じ村の出身ということでしょうか」
「それだけですか?」
「はい。ですが、追いかけてここまでやって来ました」
余計なことを、とアルマティは頭を抱えてしまう。
「ほぉ」
女性隊員たちの甲高い歓声だけでなく、魔人たち男性陣も興味が湧いたようである。
「ところで、エルフならば実力の程は?」
戦闘民族のようなアラトラス、そして戦闘力で上下関係を決めるアバドンはそちらにも興味がある。
「正直なところ、お恥ずかしい程度です」
エルフ村で、ジェロやアルマティたちに井の中の蛙であったことを知らされたアーロルトは謙虚な発言をする。
「謙遜かどうか、まずは実力を見せて貰おう」
アラトラスの発言ではあるが、第1隊の女性陣も当然に気になるところではある。
魔法を好きに使える訓練場まで移動して、アーロルトに発動を促す。
「そうですね、私は上級までしか使えないのでこちらで」
そういったアーロルトは≪氷結≫と≪石壁≫を発動する。




