アーロルトの待遇
「え?」
流石にアルマティも、ジェロの発言に驚く。
「急だったかな。でも、魔法が使える人を雇用すれば、魔術師団員になって貰うのは普通だよね」
「はい」
「魔人たちの第2隊ではなく、ルグミーヌ王国から来た彼女たちの第1隊に配属するのでどうかな?」
「はい、わかりました」
アルマティが魔術師団の仲間たちのところにアーロルトを連れていくのを見守った後、リスチーヌが我慢していた口を開く。
「ジェロ様、大丈夫でしょうか?」
「まぁ少しは世間に慣れたようだし、大丈夫じゃない?」
「え、あぁそちらも少しは安心しましたが。でもそちらではなくアルマティの方です」
「うん。アーロルトが成長して良い大人になったのだったら、悪くないと思っているよ。エルフ同士、長い寿命を一緒に過ごせるのだし」
「それはそうですが……」
「ま、女性隊員たちに目移りするようならばそれまでだし。同じルグミーヌ出身ということで会話が弾むことには期待して、第1隊にお願いしたけれど」
「そりゃ、魔人たちの第2隊には無理でしょうし。これからもっと人が増えたら第3隊とか分けても良いでしょうが」
「ヴァル、何を笑っているのよ」
「いや、ジェロが人の恋愛や結婚のことを、って」
リスチーヌもヴァルの言葉に苦笑いするしかない。モーネも横で声には出さないがにこやかに笑っている。
「それより、あちらのモーネさんにバレてしまったのですね」
「あの様子だと、吸血鬼退治の話とか余計なことまで話しているのが不安だな」
「ま、流石にあの子たちともう会うこともないでしょうね」
「モーネ様は彼女に会うと気恥ずかしくなりそうですね。偽名はモーラでしたっけ?」
懐かしい若手冒険者たちの話で盛り上がる。




