ルグミーヌ王国からの旅人3
「で、ヨルン達はどうしているのですか?」
「そうですね。ヨルンは敬語を頑張ると言っていました。まだまだでしたが、皆さんの話を聞いてからはさらに本気を出したみたいとモーネ、あ、あちらの少女の方が言っていました」
「では、その彼方のモーネは?」
「彼女には私も仲間の間に少々魔法のことを教えました。飲み込みも早かったです」
「あなたが銅級になったということは人との対戦をやったということですよね?」
「え?はい。そんな条件があったのですね。もちろんヨルン達もいましたよ。護衛業務を3人で受けていたときでしたから。でも、彼らはまだCランク魔物を倒せる力はないので、あの裏条件は伝えていないです」
「そうですか」
「はい、あの2人には私の目的を伝えていましたので、私が銅級になれば喜んで送り出してくれました」
一応、あの若手冒険者と一緒に成長し、銅級冒険者になってここまで1人で来るようにという条件は達成したようである。
「それで。テルガニ侯爵」
アーロルトが改めてたたずまいを直す。
「私をこのテルヴァルデで雇用してください。よろしくお願いします」
きちんと頭を下げての言葉である。以前の彼からは考えられないので、いくらかは成長したのだと思える。
「それは約束ですので了解です」
「ありがとうございます!では、これからは私に対して敬語はおやめ下さい」
「!」
本当にいくらかは成長したのであろう。
しかし、横のアルマティの顔を見てからジェロは言葉を続ける。
「でも、アルマティのことは私がどうこうする話ではありませ、んん。ないから」
「もちろんです。そこは自分が頑張ります」
この場でアルマティを口説くつもりも無いようであり、少し安心する。
「じゃあ、アルマティ。魔術師団員に彼を雇うことにするから、お願いね」




