テルヴァルデ追加開拓3
改めて上空からテルガニ侯爵領を見たマドロールは、次の実施内容をジェロたちに相談する。
「街道が綺麗に整備されているのを確認できました。しかし、そう見ると休憩所がないのがもったいないです」
「テルベルクとテルシュタットが休憩場所の宿になるんじゃなかった?」
リスチーヌが疑問を口にする。
「その通りです。ですが、旅人、商人は一日中歩くわけではありません。それにこれだけの街道が整備されたことで往来が非常に増えたこともわかりました。そうなると」
「あ、盗賊ね」
「その通りです。いくら往来が増えても人の切れ間はありますし、時間帯がずれた人を相手に狙うことも出てくる可能性があります。どうしても魔物に襲われる人も出てしまいます。既に報告も上がって来ています」
「じゃあ、衛兵の巡回をさせるか」
「そうです。コンスタン様のおっしゃる通りです。ただ彼らもその馬も休憩が必要です」
「そういうことか。衛兵の休憩所になるようなところをところどころで作って、そこには旅人も立ち寄れるようにする。そして衛兵がいつ巡回するか分からないと盗賊は襲いにくいし、巡回していたら遭遇した魔物を狩っていくこともできるわね」
「最初はテントのような簡易でも良いです。建物を作る職人たちの手が空いたときに順次やって行きましょう」
「ウードのところの茶龍衛兵団に700騎いた衛兵はテルベルクとテルシュタットに200人と100人を転属するのは順次始めているから、テルヴァルデに残るのは400騎。テルヴァルデが開拓されて広くなるならば、巡回する人手も含めて手薄になるわね」
「順次ダンジョンに行って訓練することもしたいから」
「ちょっとの間なら、ディートマルの黒龍騎士団400騎、ヘルツォークの青龍騎士団300騎を巡回にまわしても良いと思うけれど」
「もしユニオール皇国関係で派兵するとなればその2騎士団ですよね。その際に盗賊や魔物被害が増えないように準備をしないと」
自分達なりに色々と改善を考えていく仲間たちの頼もしさに感謝するジェロ。




