ユニオール皇国の資金対策2
「最後はよく分からなかったけれど、結局は開拓地を増やせば良いのか?」
リスチーヌだけでなくイドも、マドロールの話についていくのに必死である。
残念ながらコンスタンとアルマティは早々に思考を放棄し、いかに侯爵軍を強化することに専念するかと考えているようである。
「はい。その他に、開拓地の中でも重要部分は侯爵家の所有として売却しないことも重要ですが、大雑把には開拓地を増やすことも大事です」
「よし。コンスタンとアルマティは派兵に備えた軍事的な強化。あ、それだけでなくジェロ様と一緒に魔法やドラゴンたちによる開拓も」
イドが自分なりに理解したところから、今後にすることを結論にする。
「開拓地を増やすということは、職員も増やす必要があります。他国への諜報活動も力を入れないと、いつ侯爵家が戦争に巻き込まれるかを知るのが遅くなります」
「わかった。仕官を受け入れよう。各国での人員増も必要だということだな」
「はい」
今までは仕官の受け入れといっても、とても自分で面倒を見られないどころか顔も名前も覚えられないと思って拒絶感ばかりであった。
しかし、今では自分1人で無理なことは無理と諦めて、頼もしい仲間たちに任せることを覚えたジェロ。
「イドとマドロール、いつも任せてばかりで申し訳ないがお願いね。エム、エマニックにも手伝って貰ってね。あと、困ったら相談して来てね」
単なる丸投げにならないように気をつけないといけない意識はあるが、何をすれば良いかまでは分からない。
「ジェロ様、大丈夫ですよ。こうやって皆さんと相談して意識を合わせられるのですから」
「あ、あと経済に関してはアナトマさんにも相談しようか」
「はい、ぜひ」




