侯爵軍魔術師団3
「あのー」
つまらないことだが、とリスチーヌが指摘してくる。
「元々各部隊を隊と呼んでいたのに、結局は騎士団や衛兵団って名前になりましたよね。今回の魔術師隊も結局は魔術師団になるならば、最初からそう呼びません?」
「そうか。でも、同じように色はどうしようか」
「ルグミーヌの人が多いのならば、木々をイメージして深緑色で装備を揃えて、緑龍魔術師団ですかね」
「アルマティはどう思う?」
「はい、それでお願いします」
「じゃあ、深緑色のローブをたくさん発注しないと」
なぜかリスチーヌの方が楽しそうにしている。
アルマティは早速、ルグミーヌ王国から来た女性ばかりの魔術師達の集団と、ネベルソンなどの魔人と面談を行う。
まずルグミーヌ王国から来た10人は、同国出身の女性エルフのアルマティが団長になるのであればと団員に志願してくれる。
「まだ冒険者登録をしていないならば、このテルヴァルデのギルドで登録してくださいね。で、ダンジョンに潜って訓練したりしましょう。それに、何かと遠征する機会も多いかもしれないので、馬には乗れるようになりましょう。戦馬も必要品として提供します」
「アルマティ団長!硬いですよ」
「そうですよ。おっしゃることは理解しますし、ちゃんと従いますから肩肘張らずに」
まだ部下を持つ経験がなかったアルマティは構えすぎていたようであるが、既に組織行動に慣れている団員達が良い感じにほぐしてくれるようである。
元々開拓地では領軍の訓練する場所もあったのだが、魔法を使う場所も改めて確保し直し、彼女達の宿舎も整備することで方向性に目処はたつ。




