コンスタン結婚準備2
「父達もこの縁談はまとまるものと信じて送り出して来ています。そして、結婚式には参列することができない覚悟であると申しております」
「そうはおっしゃっても……」
ジェロの頭の中には、一つ覚えのようにドラゴン素材をルグミーヌ王家に提供することで結納にするくらいしか思いついていない。
そして結婚式はこのテルヴァルデで家臣が揃って祝う場をつくるつもりである。
「ジェロ様。色々と家臣のことを思ってあげるのも良いですが、本人達の希望も大事ですからね」
リスチーヌに言われて、はっとする。
「あ、そうだよね。コンスタン。出来ることはなんでも支援するから、遠慮なく言ってね。メンヒルト様には不要と言われたけれど、ルグミーヌ王国の王都アーレアにも一緒に飛んで行くのもやるからね」
「ジェロ様、ありがとうございます!でも、まずは家族にこのことを報告に行かないと」
「そうだね。ガニーの街に?仕事のことは良いから行って来てね」
コンスタンに仕事のことは、と格好良いことを言ってしまったが、代わりを自分ができるわけではない。その仕事がまわっていくと思われるディートマル達にごめん、と心の中で謝っておく。
「コンスタン様のご両親ですか。お会いできるのが楽しみです。やはりお父様は体格が良いのでしょうか?」
「あ、うん。本当に普通の家だからびっくりしないでね。父は確かに大きいけれど」
「これからは私にとってのお父様、お母様でもあるのですよね。何をご用意すれば……」
「何も気を使わなくて良いよ。きっと王女様ということやこんな美人を家に連れて行くことに驚いて、それ以上は記憶に残らないだろうから」




