コンスタンの気持ち3
「そして、ご結婚おめでとうございます」
ジェロはお祝いの言葉を言いそびれないうちに伝えておく。
「現実的なところで」
取り急ぎ、メンヒルトだけでなく一緒に来た侍女や近衛魔術師の生活拠点が必要である。
メンヒルトも減らしたつもりであろうが、彼女が乗車していた馬車以外でも3台分の馬車に分かれて来ていた侍女と近衛魔術師。
「コンスタンの家も、幹部としてそれなりに大きいものを割り当てていますが、一緒にいらした皆様が暮らせるほど大きくは……」
「はい。それは想定しておりました」
話を聞いてみると、侍女の数であればコンスタンの家でしばらくやりくり出来るかもしれないが、魔術師達は無理なようである。
「しばらくはうちで良いじゃないですか。でも、すぐに良い建物をご用意しないと」
リスチーヌの話のように、王女と侍女はコンスタンの家でしばらく生活するが、早々に相応しい屋敷を新たに用意することになる。
しかし魔術師達には領主館で生活することを拒否される。
「私どもは、この新天地で領軍に入るか冒険者になることを決めて来ました。陪臣としてコンスタン家の従士になる予定ではありません」
メンヒルトも頷いているので事前に話し合っていたことなのかもしれない。
「では」
そうなると、領軍の皆も冒険者登録して訓練しているので、領軍の様子を見て貰って判断させることになる。
今までジェロ達や魔人など強力な魔法使いがいたので、領軍に魔術師隊は十分に整備していなかった。
今回のルグミーヌ王国への旅行で奴隷ではなくなったアルマティに、将軍コンスタンの下で魔術師隊を率いさせるのが妥当であるとなった。




