コンスタンの気持ち2
「ということで」
言葉は聞こえなかったが、メンヒルトについて来た女性陣はまるでそう発言したかのように、上座にいたのにすっと下座の方に移動する。
この場にいるのは、ルグミーヌ王国の王女とその一行ではなく、テルヴァルデ侯爵家の重臣の家族たちという意味であろう。
彼女達は、メンヒルトと一緒にこのテルヴァルデで暮らすことを決心して来たことも理解する。
おそらく、このテルヴァルデが開拓地で男性が多いからこそ、その結婚相手になれる女性だけを連れて来たのだと、今さらながらに認識する。
『王女って、やっぱり強かね』
『そうだな……ありがたいというか』
泣いているメンヒルトをコンスタンが抱きしめているこの場で、余計な言葉を出せないが≪念話≫で会話するジェロとヴァル。
少しして落ち着いたメンヒルトを横で一緒に立たせて、コンスタンがジェロに向き直す。
「ジェロマン様。私、コンスタンはこちらのメンヒルトと結婚したいと思います。色々とご面倒なことも出てくると思いますが、どうぞよろしくお願いします」
その言葉に合わせて2人揃って頭を下げる。
「いや。コンスタンが前向きならば、もちろん協力させて貰う。メンヒルト王女、生まれ育った王都アーレアに比べればまだ何も無いところですが、どうぞよろしくお願いします」
その言葉を言ったジェロは、ようやくメンヒルトが馬車を降りてテルヴァルデを見渡していた意味も理解する。ここをどのように発展させたら良いかという意図だったのであろう。




