ユニオール皇国の噂2
「ま、ユニオール皇国で何かあっても、領地が隣接しているわけではないし、ベルカイム王国もしくはラーフェン王国への影響の方が先になるだろうし」
「共に復興したばかりとはいえ、国家として外交組織もありますし、隣接する大国の情報は詳細に収集するようにしているはずですよね」
それなりに状況がわかるモーネが、リスチーヌの発言に頷くので少し安心する。
モーネの手紙が届くのを待つくらいしかやることが無いと思えたジェロは、マドロールに相談して各国からの密偵、既にとらえて奴隷にしている者からも情報を聞いてみる。
「やはり母国を出て時間も経つので現状はわかりませんが、文官と武官の確執はますます酷い状況であったと話です。末端の密偵にまでわかるということは、かなりの状況であったのかと」
「それは怖いな。せっかくユニオール皇国が味方というのでムスターデ帝国も軽々しい行動を取れないのだと思うのに」
「まだまだ復興の最中であるラーフェン王国の南部に、帝国が攻め入ってくると……」
モーネがすがるような目でジェロを見てくる。
「もう少し積極的に情報収集をするようにしようか」
「ありがとうございます!」
妻になったとはいえ、美人のモーネにねだられると応えようとしてしまう。
『甘いのね』
『う。でも、必要なことだよな?』
『そうだと思うけれど、あっちにもフォローしなさいよ』
リスチーヌは無言ではあるが、その顔から似たようなことを言われている感じがする。
「ラーフェン、ベルカイムのどちらの国の侯爵でもあるし、何かあれば呼び出されるのは確かだから、早めに動いた方が良いよね」
言い訳にしか聞こえない言葉をつぶやきながら、モーネの部屋を出てマドロール達との相談の場に移動する。




