ダンジョン作成後3
「やっぱりオークばっかりだったね」
「最奥はハイオークでしたけれど」
結局、ダンジョンボスだったはずのハイオーク達も倒して、くつろいでいるジェロ達。
ここのダンジョンは、モージャンのときと違い裏口は存在しないようである。
「ダンジョンコアのあるこの小部屋を封鎖しておけば、冒険者達も無茶をしないわよね?」
「魔物氾濫が起きない程度に魔物の間引きがされていたら、ダンジョンコアを放置することになっても大丈夫かな」
ハイオークのいた場所の奥にあった小部屋というか奥まった場所にダンジョンコアはあった。
その手前に≪石壁≫を作り、そこに「許可ないダンジョンコアの取得を禁ずる 領主テルガニ侯爵」と書いておく。
さらにその手前に≪土壁≫を3段発動しておくことで、石壁にすら簡単にはたどり着けないようにしておく。
「ここにもコアのことを書いておき、ダンジョン入口やテルシュタットの冒険者ギルドでも注意喚起の張り紙をしておこうか」
「それでもそれを破るような者が居たら、領主の命令に悪質な意図を持って背いたということで処罰できますね」
「処罰って……」
「死刑……って程ではないでしょうけれど、コアの売却費とは比較にならない、巨額な罰金ですかね。払えずに借金奴隷にはなりそうですね」
「そのこともギルドで注意喚起して貰っておこうか……」
前世記憶があるジェロにすると強すぎる刑罰には不慣れだが、ここでは領主である貴族が決めた法令は、前世の知事や市長が議会と決める条例より強力である。
警察組織の整備が緩いことと、魔物など危険なことが多いので罰則を強化してルールを守らせる必要があると考えれば、理屈では理解できるのだが……
少しモヤモヤした気持ちではあるが、カスパーの配下と交代してテルヴァルデに戻る。
ちなみに、カスパーは複数の班に分けて探索させていたので、最初に最奥にたどり着いた班に、ジェロはご褒美と称したポーションを記念にあげてある。




