ダンジョン作成後2
「エヴラウル達に話はして来たよ」
テルヴァルデに戻り、マドロールやコンスタンに状況を共有するジェロ。
「では、早々に派遣部隊を用意しないと」
「まだテルシュタットが整備中なので、騎兵が行くと、ダンジョン探索中に馬を停めるところに困りそうですね」
「では、歩兵の我々の出番ですな」
立候補して来たのは、元ミュンヒの貴族であり、歩兵をまとめているカスパー・ブットマンである。
「ではカスパー、30人ほどを見繕って急ぎ現地に向かって貰おうか。地図を制作すること、危険な罠がないかの確認をすること」
「あ、それとダンジョンコアはとってしまったらダメですからね」
「あ、なるほど」
「はい、このダンジョンはオークを次々と生み出すことに価値があるので」
「となると、実際に冒険者達が潜るようになったときには注意が要りますね」
「領軍から見張りを派遣しておくか、ダンジョンボスは倒せてもその先のダンジョンコアにはたどり着けないように≪土壁≫か≪石壁≫で覆い隠しておくか」
「構造を見ないと分からないわね。いっそ見に行く?」
「ヴァル!2人では行かせないわよ」
「じゃあ、リスチーヌも行く?いまさらオーク程度で怪我はしないと思うけれど」
「もちろん、ついて行くわよ!」
妻同士の争いにも見えるからか、マドロール、ディートマルやグンドルフも口を出さない。
「ジェロ様。領軍の訓練にもするのですから、殲滅なんて大人気ないことしないでくださいよ」
「わ、わかっているよ。ダンジョンが完成するのに2〜3日って話だったし、歩兵のみんなは早く出発してね。後から追いかけるから」




