ダンジョン作成後
「まぁ出来たものは仕方ないですね」
テルシュタットに来て、エヴラウルとジョジョゼに状況説明と謝罪をしたジェロ。
2人はため息をつきながら許してくれる。
「我々も村長を試行錯誤中。ジェロ様も領主を試行錯誤されているところですよね。でも、これからはマドロールやリスチーヌに相談してからにしてくださいね」
ほっとしたジェロは、釘を刺されてしまう。
「ごめんなさいね。でも、ここで冒険者達の準備ができるまでは、テルヴァルデから領軍を派遣してくる話がついているから」
「流石はリスチーヌ。しっかりされているようで偶にやらかされるジェロ様とは違う」
エヴラウルの言葉に、やらかしたところなので返す言葉がないジェロ。
「でも、それだけの兵士を泊める場所もまだ無いのだけれど」
「ジョジョゼ、大丈夫よ。領軍だから野営も訓練の一つよ」
その他にも、冒険者ギルドの出張所がないことからのラーフェン王国側のギルドとの所轄の問題についても、領軍が入手した素材は侯爵家が使用するという段取りについて説明するリスチーヌ。
「なるほど。でも元々冒険者だった身としても、ギルドの顧問のジェロ様の立場も踏まえると、いつまでもその状態はまずいな。早いうちにゲンベランの街に行って、そこのギルドと交渉しないといけないな」
「すっかりエヴラウルも村長さんね」
「ま、できることから、だけど」
照れながら妻のジョジョゼと2人だからという素振りをする。
「所有権の話もあるので、ゲンベランに行くのは侯爵家である程度の地図を作っておくなど、既成事実を積み上げてからの方が良いかな」
「なるほど。その辺りはコンスタンやディートマルたちと連携を取れば良いのよね?」
ジェロが会話に入らないのに、段取りは進んで行く。
『頼もしい仲間達ね』
『うん……』
微妙な寂しさを感じてしまっている。




