ダンジョン作成3
「はい、もう終わりですよ。ほら、この穴の奥の方でダンジョンが形成されて行っていますよ」
1時間より余裕を持ってアゼルフスのところに戻ったジェロ達。
少し斜面なっているところに洞窟のような入口ができていて、外からその奥は見通すことはできない。
「このまま2〜3日放置すれば、それなりの深さのあるダンジョンの出来上がりです。中のオークもそれだけの時間があれば発生していることでしょう」
「さっそく魔物氾濫が起きることは無いのだよな?」
「大丈夫ですよ。モージャンのときにはわざと手を加えたので、オークが溢れ出ただけです」
「アゼルフス、助かった。よし、じゃあ魔人村まで送るぞ」
再びドラゴンのジョエルにアゼルフスを乗せて村に送り届けた後に、テルヴァルデに帰る。
「え?もうダンジョンを作ってしまったのですか?」
「あぁ、早い方が良いかと思って」
「何を言っているんですか。誰もダンジョンの存在を知らないと、間違えて入り込んでしまったら怪我をしますし、所有権をきちんと宣言しておかないと」
「それにスタンピードは大丈夫と言っても、どのくらい放置して良いのか。適度な間引きをしないといつかは溢れますよね」
マドロールやリスチーヌに叱られてしまうジェロ。
「今日はもう遅いので、明朝すぐにエヴラウル、ジョジョゼの2人に言って、現地の入口警備をさせないと」
「それに、ここの兵士たちの訓練としてたまにオークの間引きもさせないとダメですね」
「テルシュタットにはまだ冒険者ギルドの出張所もないので、下手に冒険者が狩って納品場所の調整に手間取るぐらいならば、領軍が狩って侯爵家がその素材を使用するとした方が無難ですよね」
ラーフェン王国内なので、ガニーの街やこのテルヴァルデの冒険者ギルドではなく、ゲンベランの街の冒険者ギルドの所轄になると言われていたことを今更思い出すジェロ。




