モーネ懐妊3
テルヴァルデで許可していない区画に忍び込もうとして武器で応戦した者は、犯罪奴隷にしたという。
「その悪質な方、犯罪奴隷にした方の背後は色々です」
マドロールの説明では、まずコンヴィル王国とラーフェン王国の貴族たち。
名前を聞くと、それぞれ騎士団などで自分のことを好ましく思っていないことをあからさまに態度で示していたものも居れば、全く縁がなかったはずと思う者もいた。
「まぁ、貴族政治というのは相手の弱みをどれだけ掴めるか、ということですので、新興勢力のジェロマン様のことを単に調べたかっただけでしょう」
「で、帝国からは?」
「それが、意外と少なく、一人いたのはかなり腕の悪い男でした」
「油断させたかったのか、他にもっとやばいのが忍び込んでいるのか……」
その犯罪奴隷にした者たちは、変なところに売り渡すこともできないため、森の開拓や迷宮探索などの冒険者にならせて仕事をさせているらしい。
「それって」
「はい、見張りは別につけてあります。接触して来た者をさらに追いかけて芋づる式で確認を進めています」
マドロールには密偵対応のための裏仕事をさせる、通常の衛兵とは別の部隊を持たせているとイドから教えられる。確かにコンスタンには苦手な仕事だと思われる。
テルヴァルデに戻った早々に面倒な話を聞いたジェロ。
夜になりようやく私的な場所でくつろげることになったところで、モーネがソファの隣に座ってくる。
「お医者様に確認したのですが」
「え、大丈夫?」
「はい、病気ではないようです」
ここに、とジェロの手を取り、自分のお腹を触らせるモーネ。
ようやく皆の変な表現などの意味を理解するジェロ。




