テロリストの尋問
新国王フェリックの戴冠式パレードに火炎瓶を投げ込んだ2人。
ジェロから騎士団に引き渡された後は、猿くつわのまま犯罪奴隷にすることで、背景情報を吐かせようとされていた。
「ダメです。既に奴隷の契約魔法を施されています」
王城に連れて来られていた奴隷商人が報告してくる。
「なんだと!どうにかならないのか!?」
周りを気にせず怒声を発しているのは、コンヴィル王国騎士団長のエクトビ・ニーシヨン。
ジェロ達が活躍することで魔法に対する期待が高まり、騎士団が軽んじられていると不安を覚えているため、何とか挽回を図りたい。
特に、新国王フェリックは自身の晴れの舞台を汚した奴を許すわけがない。
緩やかな新体制への移行のため、宰相、騎士団長、魔術師団長は据え置きになったのだが、もしここで期待に添えない場合には、自身が最初にその団長の座を後進に譲ることになるだろう。
いつまでもしがみつきたいわけではなく、後進に譲ることは当然との認識であるが、何か失敗したことによる退任は許されるものではない。
「服装、持物、何か痕跡は無いのか?もしくは、その奴隷契約の上書きはできないのか?」
「もちろん、服や装備は調べておりますが。テルガニ侯爵が既に確認済みとのことでしたし」
「そうだ、火炎瓶は何か痕跡がないのか?特徴は?」
「念の為に確認させておりますが、時間がかかると思われます」
「奴隷契約の方は?」
「は、商人が言うには費用と手間はかかっても何とかできるとのこと」
「ならば、早く言え。今回は国家の一大事である!」




