フェリック戴冠式2
「いよいよパレードの出発のようですぞ」
「では、行って参ります」
近隣領主達に挨拶をして、ドラゴンに騎乗するための場所に向かう。
そうは言っても、新国王になったフェリック、宰相、騎士団長、魔術師団長達が順番に出発してからになるのと、自分自身は最後尾なので気持ちは楽である。
「ふーん、幹部の皆さんはこのタイミングで交代しないのかな」
「そうですね、刷新して新しい体制でのぞむこともあるでしょうけれど、順次交代する方が混乱が少ないというメリットもありますよね。後者を選ばれたということでしょうね」
モーネのラーフェン王国は、一度ムスターデ帝国に支配されてしまったので、否応なしに継続性はなかったのは仕方ない。
ベルカイム王国も同様で継続性は望めなかったので、近い時期に新国王になるコンヴィル王国では選択肢のある方をわざと選んだのかもしれない。
その方が過去経緯などを知っていることで、外交上で優位に立てるとの考えもあるのだろうか。
考えても仕方のないことを色々と考えている間に、ようやく順番が近づいてくる。
「じゃあ、モーネ」
モーネを抱き抱えて、≪飛翔≫でドラゴンの背中に移動する。
周りの通常馬だけでなく、普通よりかなり大きい体格の戦馬に比べても高い位置に座ることになるので、周りがよく見える。
進行を任されている役人の合図で出発する。
城門を出て王都に進み出ると、道の両側だけでなく、その近くの家屋の屋上や窓にも多くの住民が居る。
その位置だとパレードを見下ろすことになるので不敬だ、などの指摘はないのか、数が多すぎて出来ないのか。
その向こう側に、ワイバーンの姿が見えるので、ルッツに跨ったコンスタンだと思って少し安心する。
きっとどこかにヴァルとリスチーヌも飛んでいるのであろう。




