ルグミーヌ王太子3
ルグミーヌ王太子の言葉は結局わからないままである。
「テルガニ侯爵でしょうか」
「はい、そうですが」
今度は全く心当たりがない男性から声がかかる。
「失礼しました。こちらユニオール皇国のシャルル・モンレアル侯爵です」
「は、ありがとうございます。ここコンヴィル王国、そしてラーフェン王国とベルカイム王国から侯爵を預かっておりますジェロマン・テルガニです。どうぞよろしくお願いします」
「あなたがムスターデ帝国との戦闘で活躍された方ですか。私は外務畑のもので、頭脳ではなく直に戦うようなものに関しては全くでしてな。そちらにいらっしゃるのがモーネ王女でしょうか?」
「はい、今はこのテルガニの妻になりました、ラーフェン王国出身のモーネでございます。ユニオール皇国の皆様にはラーフェン王国を助けていただきまして感謝の言葉もございません」
「そうですよね。ですが、皇国としてもムスターデ帝国への共闘者が多いに越したことはないので、今後もよろしくお願いしますね」
そのモンレアルが去った後にリスチーヌが口を開く。
「いくら大国の侯爵だからといって、ずいぶんな口調だったわね」
「そうだよな、外交官なのに。コンヴィルやラーフェンなんて小国って思っているのだろうな。あ、モーネ、悪い」
「いえいえ、皇国に比べたらその通りですので。最初に皇国が兵を出してくれたので、反撃が可能になったことは事実ですし」
「そうは言っても、その後の皇国軍ってベルカイム王国でも情けない結果だったわよね」
「帝国と接していない場所での将兵は練度が低かったんだろうさ」
結婚の挨拶回りで、ユニオール皇国に行くのは遠いから悩ましかったが、なおさら行かなくても良いかと思ってしまう。
何かカード、魔導書、魔道具など欲しいものが買えるとしても。




