表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

戦神の策略


 町に戻り依頼達成の報告も終えました。いよいよパーティーですね。

招待されたということは、お金を払わなくても良いんですよね?

あとでお金を払えといわれたらちょっと困ります。

まずはさきほどの女の子と連絡をとることにしましょう。

このブローチを握って…そう言えば名前を聞いていませんでした。

……とりあえず握ってさきほどの女の子を思い浮かべます。

むむむ……思いよとどけ…!



 上手くいきました! さきほどの女の子がササナさんの時のように光とともに現れました。

まさかこの方も天上に住まう神様!? さきほどの態度で無礼がなかったか心配になってきました。



 「ちょっ、メッセージがないから何事かと思いましたわ!」


 メッセージとは何でしょう? やっぱり怒らせちゃってます?

聞くとどうもこのブローチに話しかけると、それがメッセージとなって相手に伝わるようです。

そんな便利な機能がついているんですね。やはりこれも神器…。


 「それで、どこに狩りに行きたいかしら? メルシャの行きたいところでいいですわ」


 ん? 話がよくわかりませんね。というかやはり私の名前を知ってられましたね。

こちらも御名前を窺う事にします。


 「えっ? 普通名前は表示されてるから見える…ってわたくしとしたことが…

 最初は挨拶が基本ですわね。わたくしの名前はマリーフラウ。

 マリーと呼んでいただいてかまいませんわ」


 「わかりました、マリーさんですね」


 この方も天上の神様だとばれるとまずいのかもしれません。

ササナさんと一緒でさん付けで呼ぶことにします。

ですがどうも気に入らないみたいです。やはり様をつけたほうが――


 「さんなんていりませんわ。マリー。

 わたくしのことは親しみを込めてそう呼ぶと良いですわ。

 わたくしもメルシャと呼ばせて頂きます」


 どうやらこの神様は下界の者と近しい関係でありたいのかもしれません。

それが望みでしたら、こちらもそう呼ばせて頂こうと思います。


 「わかりました。マリーよろしくお願いします」


 改めて挨拶をすると、マリーの顔が真っ赤になります。

マリーは表情がコロコロと変わりますね。

クランにいるタビコさんを思い出します。

それよりもパーティーですね。

狩りっていってましたけど、まさか材料の調達からするんでしょうか?

この為にお昼を抜いてるんですけど…。


 「パーティー? ち、違うわよっ! パーティよ。一緒に依頼をこなそうってことよ。 

 ひ、ひょっとしてパーティを組んだことが無いのかしら? 」


 ……え? パーティーじゃなくてパーティ? ひょっとして班のことでしょうか?

狩りをする時は獲物を見つける偵察班と狩りを行う狩猟班、

それと処理を行う解体班にわかれていましたけどそう言う事なんでしょうか。

つまり…ご馳走は…ない?


 「な!? ご、ご馳走でしたらわたくしが何かすごいステータス効果のある食事を探してあげますわ。

 だから心配しなくてもよくってよ。ご馳走なんていくらでもご馳走してあげますわ!

 だからそんなに泣きそうにならないでくださいな」


 やはり天上に住まう貴族のお嬢様だけありますね。って泣きそうになってはないですけど。


 「とはいいましても、そんな凄い効果のある食事なんて…

 その辺りの屋台にあるかしら…ブツブツ」


 お嬢様が何やら言いながら光る文字を出している人を見て回っています。

私もよく見て回ってますけど、正直いってどれもご馳走だと思います。

なので探す必要はないと思うんですけど…。


 「話は聞かせてもらった。俺に任せて欲しい」


 びっくりしました! いきなり声がしたと思ったら鎧姿の男の人が…

たしかアリオンさんですね。

この方も友達になろうとする、人間に近しい存在の戦神さまですね。

でもどこから現れたんでしょうか。


 「……あなた何者ですの? 少し胡散臭い気がしますわ。メルシャこっちにいらっしゃい」


 マリーが警戒心を剥き出しにして私を呼び寄せます。

家で飼っていたキャタを思い出しますね。

キャタというのはフェアーキャットという猫の名前です。

知らない人が来たらよくシャーッって威嚇してました。

ペットの話はどうでもいいですね。

とりあえずマリーにアリオンさんは同じクランの人だと伝えます。

天上世界と一言で言っても、みんなが知り合いというわけではなさそうですね。

よく考えたらこの町の人だってみんな知ってるわけではありません。

知らない人がいてもおかしくはなかったですね。


 「クラン!? メルシャ、クランに入ってましたの。

 うぅっ…わたくしの初めてを上げようと思ってましたのに…」


 「ちょっとその初めてというのを詳しく」


 「あなたはおだまりなさい!」


 「あっはい」


 どうやらクランというのにはどれか一つしか入れないみたいですね。

天上世界は細かく分かれているのかもしれません。

でも世界が分かれてもマリーとは仲良くしますよ。

だから気落ちしないでください。あとご馳走…。


 「気落ちなんてしていませんわ! 

 ま。まぁ仲良くしてくださるというのなら…問題ないですわ…」


 気を取り直してもらえたようです。


 「っと、そこの男。何の用がありますの」


 ようやくアリオンさんが現れたところに話が戻りました。

ご馳走がこのまま忘れ去られてしまうのかとヒヤヒヤでしたね。


 「うん、メルシャちゃんと会話しているのを偶然聞いてしまってね。

 何かステータス効果の凄い食事を探しているんだって? 

 俺ならその凄い効果の食事…用意することができるぜ」


 なんと、アリオンさん料理が出来たのですね。全然そんな風に見えませんでした。

天上世界の料理…これはたしかにご馳走に違いありません。


 「それは…たしかに高レベルの方みたいですし色々と持っているでしょうけど…

 何か条件があるんじゃないありませんこと?」


 ジト目でアリオンさんを見るマリー。お供え物かお賽銭じゃだめでしょうか?


 「いやぁ、同じクランの仲間のメルシャちゃんと

 その友達のマリーちゃんからお金は貰えないよ。

 まぁそう何度もというわけにはいかないけど、

 偶然出会った記念ということでサービスと思ってもらっていいぜ」


 なんと! ササナさんもでしたけど、こんなに加護を頂いてばかりでいいんでしょうか。

いえ、頂けるなら有難く賜るべきですね。神様の気持ちを無駄にしない。

これも加護を受けるべき者の心得だと思います。


 「そ、それならいいですわ。そう…メルシャの友達…友達ですものね。

 うふっ…うふふふっ…」


 「ああ、わかってもらえてうれしいぜ。あと狩りにいくんだよな。

 とっておきの穴場があるから、一緒に行こう」


 そんな場所があるんですね。

故郷の村でも大人達が穴場だと言いながら大量の獲物を獲ってくることがありました。

神様がおっしゃるくらいですから期待できますね!


 「それは助かりますけど…ん…あなたいつから私達の話を聞いてたんですの!?」


 「あっ」


 なんだかマリーとアリオンさんが言い争ってますけど、

私はどんなご馳走なのか…どれくらい獲物が獲れるのか…

そのことが楽しみで、想像の世界に浸り続けていました。




――アリオン――


 俺の名前はアリオン。レベル185の神武装甲だ。神武装甲というのは盾職の最上位職の一つ。

魔王フォラのヘルリオンクロスだろうと、

邪神竜の深淵のブレスだろうと耐えて見せるぜ。


 そんな俺の装甲をぶち抜いたのが、ササナとともに現れたメルシャちゃんだ。

年齢的にまだ幼さが残りながらも、時折色香が醸し出されるワンダーな年頃だ。

そしてその人間離れした容姿。種族でエルフを選ぶ者はいても、

どうしてもアンバランスさがでてしまう。

もちろん中には妙に似合っているという人もいるが、それも似合っているというレベル。

メルシャちゃんはどちらかというと、

物語のエルフがそのまま形になったらこうだろうなという容姿…

つまりエルフそのものってかんじだ。

ササナが外国人かハーフかもっていってたが、たしかにその通りだった。


 クランに入ることになったのは嬉しいことだが、

クランメンバー…主にタビコによって変態の烙印が押されかかっている。

だが男ならアンズさんの胸に目が行くのは仕方ないことだ。

推定Gカップはあると思う。今までこのゲームの中で会った中でもトップクラスだ。

ササナもまぁそんなに小さくはない…というか平均よりは大きいのか? 

アンズさんと並ぶと小さく見えるのは可哀想とは思う。

いや…こんなことを言いたいんじゃない。メルシャちゃんのことだ。

正直小さい。タビコとどっこいどっこいだろう。だがメルシャちゃんはまだ若い。

タビコは俺と同じ年だからもう大きくはならないだろうけど、

メルシャちゃんはあの年であれなら期待がもてる。

ちなみにタビコは俺と同じ大学だ。大学でも変態扱いするのはやめて欲しい。


 話が逸れすぎたか。とにかくメルシャちゃんとなんとか友達になりたいとは思うが、

クランメンバー女性陣のガードが固そうだ。

かといって流石につきまとうような真似はしない。そこまですると本当の変質者だろう。

今日はたまたま講義がなくなったのでゲームにインした。

クランメンバー一覧でメルシャちゃんだけインしているみたいだ。

基本的にクランメンバーは祭日以外は夕方ごろから集まるからな。

メルシャちゃんは学校大丈夫なんだろうか。


 ともかくばったり会わないかなぁと思いながらギルドに来ると、そこにメルシャちゃんの姿が。

だがすぐに声をかけるような真似はしない。メルシャちゃんも何か用事があるかもしれないしな。

そしてそれが正解だったとすぐにわかる。天からもう一人の美少女が降って来たからだ。

年齢はメルシャちゃんと同じか少し上くらいか?

まるでどこかのお嬢様然としたその姿。あぁ、眼福とはこのことだぜ。

メルシャちゃんとマリーちゃんが話をしている姿を見ていると、

俺なんかが入っていっていいものか躊躇してしまう。

いや、二人の美少女とお友達になれるチャンスだ。

タビコもインしていないから邪魔が入ることもない。

外部のネットを検索しているふりをして、二人の会話に割って入るタイミングを探る。


 よくわからないが、狩りの前に食事をとりたいらしい。

このゲームに空腹値というものはないので、別に食事をする必要はない。

ただ食事によって様々なステータスボーナスがつくので、

狩りの前に何かしらの食事をとるのが一般的だ。

これは低レベル帯も高レベル帯もかわらない。

基本的な効果のものなら町の宿で休息することでとることが出来るが、

それ以上のものになると町の中に立っている売り子から入手する必要がある。

もちろんレアな料理ほど様々な効果がつくし、その上昇値も高い。

ボス戦などではたかが食事と馬鹿に出来ない効果がある。

俺もそういったレアな料理をいくつか常備している。

アンズさんが料理系のスキルを持っているので、

いくつか素材と引き換えに作ってもらっているからだ。

メルシャちゃん達はおそらく一桁レベル。まだそこまでの効果の食事は必要ないと思うけど、

どんなものか興味はあるのかもしれない。

レア料理ひとつで二人と仲良しになれるなら安いもんだ。


 ついでに狩りでカッコイイところを見せて…やばい…完璧な計画だ。

俺はそう考えて二人に声をかけることにした。


 




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ