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24-2オブザデッド


 なりきり士のたぬきは、モフモフの尻尾を武器に多くのアンデッドを葬り去ったたぬきのキグルミを着た中年男性だ。たぬきになりきったたぬきは、たぬきになりきっているからこそたぬきとして恥じぬ戦いを終え、たぬき界の勇者としてたぬきの聖地ぽんぽこ堂に帰ってきた。これからもたぬきはたぬきとしてたぬき道を極めてゆくだろう。このたぬき生はまだ始まったばかりなのだから──。



 ブルーイン・シュワルツェコフはウィッカ(悪魔との契約者)である。異世界調査班としてこの街を探索中遭遇、ほかの調査班を逃がすためこの地に踏みとどまる 使える術はスネア系(地面を50センチへこませる、壁上に30センチの高さで広範囲に持ち上げる)とストーンバレットくらい。後はサイコメトリー等の探索系呪法のみ。と豊富なプロフィールをもつ。土魔法を操るブルーインはこの戦いを乗り越え、さらに一段階強い土魔法を手に入れた。地面を60センチ凹ませることができ、32センチの高さを持ち上げる能力だ。これからもブルーインは研鑽を忘れることはないだろう。目指せ、33センチの能力者──。



 ケータイ屋さんのゆまは、すっごいスマホをもって、部隊と部隊の連絡を担当していた。この世界の文明レベルとはいったい……という感じなのだが、ケータイ屋さんがあるのでもちろんAUとかDOCOMOとかもあったりするのだろう。ていうかソシャゲがあるしな! ゆまは王国を救った英雄のひとりとして通信会社を立ち上げ、今では犬のお父さんのCMなどを流す大会社を経営しているようだ。大金持ち!



 アウトサイダーは魔法学者(魔法使いではない)だ。装丁は立派だが中身はただ研究アイディアをメモしているだけの分厚い本一冊には、たっぷりとメモが書き込まれている。中でも、あのネクロマンサーとの戦いの最中に見た数々の魔法は、アウトサイダーの知的好奇心を大いに刺激するものばかりだった。アウトサイダーは古代の魔法に魅了された。これからも数々の遺跡を渡り歩き、見聞を広めてゆくのだろう。それこそがアウトサイダーの胸張れる生き様なのだ。



 あっつぁんは料理好きなニートだ。ニートだったのだが冒険を続けるうちに知り合ったたくさんの人々に誘われ、今ではなんの因果か王宮のコックになっている。ここには珍しい食材がたくさん運ばれてくるし、料理だって作りたい放題だ。腕を存分に振るうとみんなが喜んでくれるし、案外もしかしたら天職なのかもしれない。可愛いメイドさんも、多いしね!



 ソンビはゾンビだ。死んだら爆発を引き起こし、感染源となりうるのだが、何故か集団の中に気づかれずにずっといた。だが、ネクロマンサーを倒したことによって彼の呪いも解け、ソンビは今やただの人間となった。しかし彼には記憶がない。どこからきて、なにをするのか。しかし、人生はこれからまだまだ明るい。自分の目的を探すのも彼の楽しみとなるだろう。どこからきてなにを為すのか──今、ソンビの新たな冒険が始まった。



 ポニテ娘ちゃんは宿屋の娘だ。フライパンを武器に4の腕力で次から次へとスケルトンを叩き潰した、金髪ポニテな女子8歳。ロリ。である。彼女はもちろんチホウの町の宿屋に帰っていった。しかし、あの刺激的な日々はいつだってポニテ娘ちゃんの記憶に残っている。ポニテ娘ちゃんはたびたび宿屋を抜け出し、周辺の森で魔物を狩っている。今や彼女を見ると魔物のほうが怯えて逃げ出すほどだ。12歳になったら冒険者になろう。そんな決意を胸に秘め、今はコツコツとお小遣いを貯めている。冒険の日は近い。



 タニシキングマンはタラバガニ専門フードファイターだ。めっちゃ長い恵方巻きを持っているシジミである。え、シジミなのか……。シジミ、なのか……。じゃあシジミとして、数々の強敵を退治してきたのだろう。シジミがすごい勢いでガツガツとタラバガニを食うのは想像つかないな……。でも、きっとすごいシジミなのだろう。タニシキングマンは海に帰っていった。いい出汁を出すんだぞ。



 司書のかぐやは、王宮の司書として穏やかな暮らしへと戻っていった。幸いにも城の書物は大半が無事だったようで、少し荒れた図書室を再建するとともに、過ごしやすい普段の暮らしが戻ってきた。かぐやはきょうも図書室にこもり、好きな本を好きなだけ読む生活を続けてゆく。失って良かったと思うものがひとつだけあるならば、今の生活が最高だった、ということだろう。



 ゴリラ・ゴリエ・ゴリ子はゴリラだ。バナナを手にしたゴリラ3歳だ。やたらと多くゴリラが参加していた王国軍だが、その中でも一番戦果をあげたゴリラである。やはりまだ若い3歳というのが決め手だったのだろう。たくさんのスケルトンを倒し、戦う喜びを覚えた彼女はこれからも城の守護神としてたくさんの魔物を倒し、死ぬまでにたくさんのバナナを貢がれることになったのだ。



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