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EX級アーティファクト化した介護用ガイノイドと行く未来異星世界遺跡探索~君と添い遂げるために~  作者: 青空顎門
第一章 未来異星世界

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058 収穫と現状

「最後まで問題なかったな」


 未踏破領域を出て、秩序の街・多迷宮都市ラヴィリアに戻る途中。

 装甲車の中で一息つきながら、マグはアテラ達に向けて言った。


「依頼も全く難しくなかったですね」


 それに応じて肯定するように言葉を返したアテラに頷く。

 端末を通じて追加で依頼されたのは、この未踏破領域特有の木のような外見に進化した幻想獣トレントの討伐と、枝や幹のような形状の部位の収集だった。

 木々と植物で入り組んだ道なき道を進んで群生地に至った直後は、根で歩き、枝を触手の如く蠢かすトレントの数の多さに少し圧倒されはしたものの……。


「アタシとフィア姉さんがいれば、あれぐらいものの数じゃないわ」


 やはりと言うべきか、二人の力は頭抜けているようだ。

 恐らく普通の狩猟者だったら四方八方から迫り来る枝に対応し切れず、物量に押されるような形で敗北してしまっていたに違いない。

 そうした難易度の問題に加え、ここは素材が地面に吸収される未踏破領域。

 厄介なその特性もあり、トレントの部位収集依頼がマグ達に追加で来た訳だ。

 フィアとドリィの力を分析し、適していると判断されたのだろう。

 もっとも、主な要因は丁度いいタイミングでここにいたからだろうが。

 いずれにしても。

 本来なら脅威だっただろう枝はフィアのシールドを抜くこともできず、ドリィのレーザーで一瞬の内に細切れにされていた。

 理由はどうあれ、二人にとっては朝飯前の依頼だったことは間違いない。


「……もう少し高難易度の依頼でもいいのかもしれないな」


 最終的な目的は時空間転移システムのコアユニットと、人間を機人にする装置。

 それらの発見を目指すのであれば、いつまでも安全圏にいる訳にもいかない。

 少しずつでも先に進んでいく必要がある。

 その程度の力は既にあるとするのは正常な認識だろう。


「俺達の情報も上方修正されているみたいだしな」


 言いながら空中ディスプレイを出し、自分達のデータを表示させる。

 内容は以下の通り。


マグ・アド・マキナ

種族     :旧人

人格     :やや異質(治安を乱すものではない)

パワー    :E(先史兵装(PTアーマメント)使用時:C)

スピード   :E(先史兵装(PTアーマメント)使用時:C)

戦闘レベル  :E-(先史兵装(PTアーマメント)使用時:B)

超越現象(PBP)タイプ:干渉・他

判定     :戦闘不可(先史兵装(PTアーマメント)にて武装した場合は可能)

備考     :超越現象(PBP)は対象の状態を任意の時点に戻すもの。


アテラ・エクス・マキナ

種族     :機人(アーティファクトランク:EX)

人格     :可(所有者の管理を要する)

パワー    :D

スピード   :D+(先史兵装(PTアーマメント)使用時:EX)

戦闘レベル  :C+(先史兵装(PTアーマメント)使用時:A)

超越現象(PBP)タイプ:干渉・自

判定     :戦闘可(先史兵装(PTアーマメント)にて武装した場合は推奨)

備考     :超越現象(PBP)は機械装置の吸収と機能の習得。

        得られた機能によっては戦闘適性が大幅に上昇する可能性有。

        断片(フラグメント)の保有は確認できず。


フィア・エクス・マキナ

種族     :機人(アーティファクトランク:EX)

人格     :良好

パワー    :D+

スピード   :C

戦闘レベル  :B+

超越現象(PBP)タイプ:放出

判定     :戦闘推奨

備考     :超越現象(PBP)は防御シールド形成。

        断片(フラグメント)を保有。


ドリィ・エクス・マキナ

種族     :機人(アーティファクトランク:EX)

人格     :可(所有者の管理を要する)

パワー    :C

スピード   :C+

戦闘レベル  :S

超越現象(PBP)タイプ:放出

判定     :戦闘推奨

備考     :超越現象(PBP)は殺傷性レーザーの照射。

        断片(フラグメント)を保有。


 どう見ても、低ランクの迷宮遺跡の探索や幻想獣の相手だけをしていたら罵倒の一つも飛んできそうなレベルになってしまっている。

 ここまで来ると、もはや慎重ではなく臆病となるだろう。


「それでも、一歩一歩進んでいきましょう」

「ああ。そうだな」


 方針を再確認するように告げるアテラに、自分に言い聞かせるように応じる。

 急ぎ足でも一段ずつ。

 元々底辺労働者に過ぎなかった凡人には、それこそが最善の道だ。

 マグはそう考えながら、依頼の表示に切り替えた端末へと視線を落とした。

ストックが尽きたため、不定期更新となります。

今後とも本作をよろしくお願いいたします。

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