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一歩の重さ  作者: burazu
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アマチュア女子

 一輝達が控室に戻っている頃、小夜も美咲の元に戻って美咲より声をかけられる。


「おめでとう小夜ちゃん」

「ありがとう、さ、次は美咲ちゃんの番よ」


 小夜に返答をされて、美咲はトーナメント表を確認する。


「ええっと、私の対局相手は佐藤梢子アマ、誰だろ?聞いたことないな」

「アマチュアの人ってことはチャレンジマッチから勝ち抜いて来た人ね」


 チャレンジマッチとはウイナビ女子の予備予選であり、アマチュアや奨励会員、研修会員が対象だ。


 この棋戦の特徴は一般募集で多くのアマチュアにも門戸が開かれており、この予備予選でかなりの数が振るいにかけられるのだ。


「美咲ちゃん、研修会に最近までいた美咲ちゃんが知らないってことはもしかしたら地方の研修会所属かも知れないわ」

「そっかーー、そうかも知れないわね」


 研修会員にはまだ女流段位や級位の表記がつかない為、こういった棋戦ではアマと表記されるのだ。


 そもそもアマチュアの高段者で棋士や女流棋士志望の者は研修会に入会するケースも多い。もちろん入会試験をパスしなくてはいけないが。


 小夜達が話していると係員が呼びかける。


「それでは、与田女流二級、佐藤梢子さん対局室へとお入りください」


 係員の呼びかけにすぐさま立ち上がり返事をする少女がいた。


「はい」


 その少女を見て小夜と美咲が反応をする。


「美咲ちゃん、あの子のようよ」

「あの子多分私達と同じくらいの年だよね」

「盤上では年は関係ないわ。行ってきなさい」

「うん」


 そう言って美咲は対局室へと赴く。


 美咲と対局相手の佐藤梢子が対局室に入った頃、解説者の控室でも動きがある。


「次の対局が始まるので、竹田九段、鎌田女帝お願いします」


 係員の言葉を聞いて竹田九段、鎌田女帝が解説に向かう。


 その際に竹田が一輝に声をかける。


「長谷さん、我々の解説をその目にしっかりと焼き付けてくださいね」

「あ、はい」


 鎌田もまた一輝に声をかける。


「長谷先生はゆっくりしてください、また後の出番でお願いします」

「はい、連投だし、あまり無理しないでください」

「ありがとうございます」


 ここで少し、竹田が一輝に口を挟む。


「ちょっとーー、僕の時とえらく声のトーンが違うんじゃないの?天才少年も女性には形無しですか」

「あ、竹田先生の解説お勉強させて頂きます」

「いや、そんな取ってつけたようなフォローはいらないからね。ま、いいんですけどね」


 竹田のトークスキルに翻弄される一輝であった。

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