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一歩の重さ  作者: burazu
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磨かれた刀

 ウイナビ女子オープンで対局する小夜と山西女流二段の将棋は後手ながら山西が急戦志向を示し、小夜はその攻めを凌ぐ形となった。


 山西の駒が小夜の陣に迫ってはいくが、小夜が適切に受け、思うように攻めが通らない。


 その時に小夜は一瞬のチャンスを見逃さず持ち駒の角を打った。


 その角は王手になるだけじゃなく、山西の飛車取りにもなっている。


 王手飛車が炸裂しており、その瞬間会場がどよめき、一輝達もそれについての解説をする。


「長谷先生、出ましたね王手飛車」

「これは痛いですね、これには合駒か玉を逃げる他ありませんね。ただ逃げれば即詰みがありますし、合駒すると飛車が取られて攻めが切れてしまいますね」


 それでも山西は合駒をし、王手を避けるが飛車は取られてしまう。


 なんとか山西は小夜の陣に駒を打ち、あやをつけようとするが、そこから小夜の攻めが始まる。


 どんどんと小夜の駒が山西の陣に迫り、山西より投了の意思が告げられる。


「負けました」


 山西がそう言って頭を下げると小夜も頭をさげる。投了の様子は会場にも伝わり、鎌田女帝が言葉を発する。


「ここで山西女流二段投了。牧野女流初段の勝ちとなりました」

「もう後手玉には受け無し。先手玉にはまだ余裕がありますので投了もやむなしですね」

「本局を振り返っていかがだったでしょうか?」

「山西女流二段の激しい攻めを上手く受け切り、反撃のチャンスを見逃さなかった牧野女流初段の粘り勝ちという印象ですね」


 一輝が感想を言い終えると司会の女性より解説中断の声がかかる。


「それでは次の対局が開始されるまで、解説者の方々には休憩に入ってもらいます。長谷四段、鎌田女帝ありがとうございました」


 その声を聞いて、一輝と鎌田は控室へと戻っていく。


 控室へ戻るともう1人の解説要因の竹田義男九段に声をかけられる。


「いやあーーー、お疲れ様。良かったんじゃないの」


 竹田の言葉に一輝と鎌田が礼の言葉を述べる。


「ありがとうございます」

「ありがとうございます」

「牧野さんの居飛車には驚かされましたよ。それも付け焼刃じゃなくしっかりと磨かれた刀という感じでしたね」


 竹田の言葉を聞いて、一輝も自身の意見を述べる。


「最近は鎌田さんとのVSで対抗系が多いって話を聞いたので自ら居飛車側を研究したのかも知れません」


 一輝の言葉に鎌田も続く。


「はい、私もそう思います。プロで上位の振り飛車党の先生は対抗系の居飛車も強いのでその棋譜を参考にした可能性もあります」

「勉強熱心だねーーー、もし矢倉や相掛かりにまで手を出したらどうなるんだろうねーーー?」


 やや冗談めいた発言だが、小夜の吸収力を高く評価している竹田の言葉であっ

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