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一歩の重さ  作者: burazu
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VS了承

 棋光戦1次予選で鎌田女流3冠に勝利し、その鎌田より自身の研究会への入会希望とVS相手の紹介を頼まれた一輝はひとまず研究会仲間である真壁天馬に相談し、鎌田の入会の承諾を得る。


 そしてVS相手には小夜を推薦し、その事を小夜に話をし、土曜日にゆっくり話したいという返事を受け、土曜日に家の近くのカフェで待ち合わせをしていた。


 一輝が先に来ており、すぐに小夜が現れる。


「お待たせ、珍しいわね一輝君の方が先に来ているなんて」

「俺だってたまには早く来るよ」

「いつも早めにきなさいよ、さっ、中に入りましょ」


 小夜に促され一輝もカフェに入り、テーブルに座ると早速本題に入る。


「それじゃあ、早速だけど鎌田さんの話を詳しく聞かせてくれる」


 一輝は鎌田の希望をである女性にVS相手を紹介して欲しいというお願いを小夜に伝え、その際に小夜を推薦したことも話した。


「この間はそれを言われてちょっと混乱したけど、一輝君はどうして私を推薦してくれたの?」

「これは小夜ちゃんの為にもなると思ったんだ」

「私の?」

「うん、やっぱり強い人とVSをするのがいいでしょ」


 一輝の返答を聞いて納得し、小夜が言葉を返す。


「確かに鎌田さんは宮里さんとも互角に戦える人だし、そういう人と練習将棋ができれば実力の底上げや今の自分が宮里さんに通用するかどうかも分かりやすいかも」

「そうだな、じゃあどうする?」

「鎌田さんとVSするわ」

「じゃあ、俺から鎌田さんに連絡して、その時に小夜ちゃんの連絡先も教えておくし、鎌田さんの携帯番号を渡しておくよ」


 一輝の言葉が引っ掛かった小夜は思わず尋ねてしまう。


「え、ちょっと待って?一輝君、鎌田さんと携帯番号の交換したの?」

「え、そうしておかないと一々対局日か例会の日に直接言わないとだめじゃん」

「まあ、そうだけど……」


 次の瞬間小夜は見たこのないほどの真顔で一輝に対し語り掛ける。


「でもね一輝君、プロになった途端に先生、先生ってみんなもてはやすけど、そう言われて調子に乗ると一輝君の為にならないんだからね」

「な、何だよ?突然」

「私は一輝君の為に言っているのよ、とにかく調子に乗らないこと、いいわね」


 突然の小夜の説教に一輝はただ黙って頷くしかないと思った。


「今日は例会だから、月曜日に連絡して、そしてすぐに私に代わってね」

「じゃあ月曜日もここで待ち合わせするか」

「そうね」


 なんとも複雑な模様になったが、とりあえずVSを了承した小夜であった。

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