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一歩の重さ  作者: burazu
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名人の強さ

 一輝達が昼食を終え、検討室へと戻ってモニターを確認すると両対局者は既に盤の前に戻っており、対局再開を待っていた。


 その頃にはホテルのロビーでは名人戦の大盤解説会が開始しており、賑わっていた。


 そして対局は再開され挑戦者の吉住真人八段が一手指す。


 その吉住が以前も赤翼名人とタイトル戦で対局したことについて西田が言及する。


「師匠、そう言えば吉住さんは前も赤翼先生とタイトル戦を戦っていましたよね?」

「ああ、2年前の皇座戦でな」

「先に2勝あげたのに、フルセットまで持ち込まれて逆転負けでしたからね」

「あれも決して吉住君が悪かったとわしは思わん。赤翼さんの底力がすさまじかったという話だ」


 過去の対局の話にも触れつつ、時間は進むが手はさほど進まず、夕食休憩に入る。


 名人戦は2日制タイトル戦で唯一2日目に夕食休憩があるのだ。しかし、30分しかなく、軽食ですませることがほとんどなのだ。


 その事にも西田が言及する。


「昼間はピザとかを食べていたけど夜はサンドイッチですよ。えらく差がありますね」


 西田の言葉を聞いて、諸見里が一同にある事を伝える。


「今ホテルの人に確認したが、わしらの分の夕食を検討室に持ってきてくれるそうだ、もちろんわしら持ちだが」

「それで何をですか?」

「サンドイッチだ」

「何だ……」


 あからさまにがっかりしている西田に対し諸見里は強く言葉を放つ。


「何をがっかりしているんだ!ここのサンドイッチもばかにはできんぞ」


 そういうやり取りをしていると、一輝達の元にサンドイッチが運ばれる。


 柔らかめのパンに低温で柔らかく調理したチキンと、厚切りのハニーハムが絶妙なバランスではさんであり、一同は美味しく食べていた。


 その際に一輝が言葉を発した。


「確かにこんな美味しいサンドイッチは初めてですね」


 一輝の言葉に小夜も同意する。


「本当、すごい美味しい」


 こだわったサンドイッチを食べ終えると、いよいよここから休みなしの対局が再開される。


 ここから終盤戦に突入し吉住八段の攻めが続くが、赤翼玉はなかなか捕まらず寄せきれない。


 一手空くと今度は赤翼名人よりの反撃が炸裂し、吉住八段の玉がじわじわと追い込まれていく。


 自分の手番に吉住は着衣が乱れた和服の着衣を正し、自身の姿勢も直したうえでその瞬間が訪れる。


「負けました」


 そう言って吉住は頭を下げ、赤翼も頭を下げ返す。


 名人戦第1局を制し、先勝をあげたのは赤翼名人である。


 赤翼名人の勝利が確定した瞬間多くの記者、新聞社、そしてテレビカメラもが対局室へと向かっていった。


 この意味とは?

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