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一歩の重さ  作者: burazu
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決定。大盤解説

 佐渡会長より大盤解説会の依頼を受けてから約2週間が経過し、現在一輝は自宅の部屋のパソコンで棋将戦第4局の生中継を観戦していた。


 この一局の結果次第で自分の大盤解説会があるかどうかが決まり、それに伴い予定も変わるから手に汗を握っている。


 何より憧れのタイトル戦の中継ということにも興奮が収まらないのである。


 そしてその一戦もいよいよ終局という時が近づいて来た。


「50秒、1、2、3,4,5」

「負けました」


 一輝にも投了の声が聞こえ、その中継で聞き手を担当している女流棋士が改めて結果を告げる。


「ここで雲竜棋将投了です。丸井八段の勝利です」


 更に詳しく女流棋士は番勝負全体の勝敗を含めた今後の予定を説明する。


「これにより、棋将戦5番勝負はお互いに2勝2敗となり、決着は3月30日の第5局に持ち越されました」


 女流棋士は解説担当の棋士に本局の感想を聞いて見た。


「本局を振り返ってみていかがだったでしょうか?」

「何と言っても丸井八段の独創的な差し回しで雲竜棋将を惑わしたという印象ですね」

「ありがとうございます、この後は初手……」


 その瞬間一輝はネットのプラウザを閉じ、中継アプリとAIソフトを起動させ、本局の検討を始めようとするが、スマートフォンが鳴る。


 スマートフォンの通知の名前が小夜であり、とりあえず出る。


「もしもし」

「あ、一輝君、一輝君も見た?棋将戦」

「ああ、これで俺は大盤解説会に出ることになった」

「そうなの、実は私もその大盤解説会に出ることになっているの」


 小夜まで大盤解説会に出ることになった事実に驚きを隠せず、思わず一輝が尋ねる。


「な、何だって⁉そんな話聞いてないぞ」

「他の人が都合がつかなくて、会長から昨日急に連絡があったの」

「そういうことか」

「私達って学生だから基本的にあまり解説やイベントの出演はないけど、時期が春休みだからっていう理由で会長は依頼をしたらしいの」


 この時一輝は2週間前は佐渡会長の主目的は将棋で自身の力を測ることで、大盤解説会は仕事の依頼として呼んだことを悟ったのだ。


「当日は色んな人が解説するらしいし、今から楽しみだわ。じゃあね」


 そう言って小夜は電話を切った。小夜は前回の伊原戦以降は残りのリーグ戦を全勝したものの、伊原は無敗でリーグ抜けをした為、女流皇将戦挑戦者決定戦へ進むことはできなかった。リーグ残留は決めたため、来期もまだチャンスは残っているのだ。


 今回の大盤解説が自分と小夜にとっていい刺激になればと思う一輝であった。

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