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一歩の重さ  作者: burazu
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両立の大変さ

 一輝は順位戦の昇級と五段昇段を決めてどうにか新年度を迎えられる事に安堵して、過ごしていたが、小夜はタイトル挑戦を決めたものの、タイトル戦で敗退すると女流棋士を引退する事になり、落ち着かない日々を過ごしていた。


 そんな中春休みにはいり、一輝は自宅でパソコンを使ったAI研究をしていた。順位戦は当分先であるが、いくつか直近で対局があり、その研究をしていた。


 その一輝が自宅で研究会をしている一方、小夜は鎌田のアパートに行っており、VSをしていた。もちろんこれは来月末より始まる女流皇位戦対策だが、どこか小夜は落ち着かない様子だった。


「それじゃあ……ん?牧野さんどうしたの?体調でも悪いの?」

「あ……すいません、大丈夫です」

「私の為にもなるからやっているけど、これは次のあなたの為の女流皇位戦対策でやっているんだから、身に入らないようだったら帰って休みなさい」

「いえ、帰っても受験勉強をするだけだし、それなら頑張って対策します」


 小夜の大学受験という言葉を聞いて、何か気になったのか、鎌田は疑問を投げかける。


「そういえば牧野さんは大学進学も希望しているのね、今は女流タイトル戦も控えているし、受験勉強は少しお休みできないの?」

「……!ダメなんです、それが女流棋士をやり続ける条件ですから」

「勉強と将棋の両立が女流棋士をし続ける条件って、大変よね、でもタイトル戦はそういうのは関係ないし、しっかりと私といる間は研究しましょう」

「はい!」


 タイトル戦の敗退が即、女流棋士の引退につながってしまう小夜は思うように将棋の研究に身が入らないでいた、全ての事情を話せないものの、学業との両立が女流棋士を続けるのに必要な事であると打ち明け、気持ちを引き締めなおすのであった。

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