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一歩の重さ  作者: burazu
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放課後会館へ

梢子から研修会編入の合格の報告を受けた一輝は梢子との電話を終えると、今度はスマートフォンの液晶に将棋連盟の名前が表示され、一輝は電話に出る。


「はい、長谷です」

「長谷四段ですか、将棋連盟の今永です」

「今永さん!どうしたんですか?」

「明日の夕方16:00頃将棋会館までおいでいただいても大丈夫ですか?佐渡会長が来てほしいとおっしゃているので」


 電話の相手は将棋連盟職員の今永であり、佐渡高文会長が将棋会館に来てほしいと告げられた一輝は返答をする。


「分かりました、行きます」

「ありがとうございます、何かで遅れそうなときはご連絡ください」

「はい」


 一輝の言葉を聞いてから今永は電話を切り、電話が切れるのを確認するとそっと一輝は呟く。


「何だろうな……」


 一輝は以前の佐渡会長の呼び出しからまた仕事の依頼にかこつけて将棋を指そうと考えているかもしれないと推測するが、今は11月のうえ、冬休みにはタイトル戦や地方での将棋まつりもないから何の仕事を依頼するつもりか予想がつかないでいた。


 そして翌日の放課後、一輝が下校している準備をしていると梢子が声をかける。


「長谷君、帰るの?」

「いや、今日は将棋会館に用事があるんだ」

「あれ?ナイターで対局なんてないわよね?」

「佐渡会長から話がしたいと言われて呼ばれてさ、それでいかないとダメなんだ」


 佐渡会長からの呼び出しだと一輝から聞いた梢子は少しおびえるな表情で一輝に質問をする。


「ま、まさか長谷君、棋士をクビになるなんてことはないわよね?」

「いやいや、それはないから。っていうかなんでそう思ったの?」

「会長さんがいきなり本人を呼び出すなんて、そういう事以外あるのかなって思って」

「多分だけど、仕事の依頼だと思うよ、対局以外のね」


 対局以外の仕事の依頼がある可能性を一輝が話すと、梢子は尋ねる。


「もしかしてこの間のウイナビの解説みたいな仕事?」

「だけどタイトル戦は平日が多いし、冬休みは地方のイベントもそんなにないはずだけどな、まあ行けば分かるし、そろそろ行くよ」

「そっか、ごめんね変な事で止めちゃって」

「いや、それじゃあまた」


 そう言って一輝は学校をあとにし、電車に乗って千駄ヶ谷駅まで向かう。


 そして千駄ヶ谷駅に電車が到着しホームに降りると後ろから声をかけられる。


「一輝君、一輝君も将棋会館に用なの?」

「この声は……小夜ちゃん⁉どうしたの?」

「どうしたって、昨日今永さんから佐渡会長が呼んでいるって連絡があって……」

「それ、俺もなんだ」


 何と小夜も佐渡会長から呼ばれていた!会長が2人を呼び出した理由とは?

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