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一歩の重さ  作者: burazu
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2回目の試験

 小夜と共に将棋会館を訪れた梢子は取材を受ける小夜と別れ研修会試験に臨む。


 前回も来ていた為、試験が行われる対局室へと迷いなく進んでいく。


 いつもは公式戦で使用する対局室だが本日は研修会の例会の為に使用しているのだ。


 例会開始を待つ研修会員と梢子と同様に試験の希望者が畳の上に敷かれた座布団に正座して待っている。梢子も座布団に座り、例会の開始を待つ。


 しばらく待っていると中年男性と思われる人物が現れその場にいる全員に挨拶をする。


「皆さん、おはようございます」

『おはようございます』


 全員の挨拶を聞くと男性は再度発言をし始める。


「それじゃあ本日も研修会の例会を始めます。今回初の入会試験の方もいらっしゃるようなので自己紹介しておきましょう、私は研修会の幹事の高田信雄と申します」


 高田信雄七段、現在42歳で、順位戦はB級2組。竜帝戦は4組と棋士としては歴も、クラスも中堅と言える立ち位置に属している。


 その高田より、例会の開始が研修会員、並びに受験生に呼びかけられる。


「それでは本日の例会を開始したいと思います。皆さんよろしくお願いします」

『よろしくお願いします』


 全員が挨拶を終えると、本日の対局の組み合わせが読みあげられていく。その中には研修会受験生も織り交ぜられていく。


 そして遂に梢子の名前が呼ばれる。


「佐藤梢子さん!」

「はい!」


 名前を呼ばれた梢子は指定された盤の前まで移動する。対局相手は研修会員のようだ。


 振り駒で梢子の先手が決定し対局が開始される。


 緊張しながらも梢子は一手一手しっかりと指し、相手玉の詰みを発見し、しっかりと寄せきっていった。


 そして対局相手から投了の言葉が発せられる。


「負けました」


 梢子は何とか本日1局目の対局を勝ち切る事に成功し安堵の表情を浮かべる。


 その後クラスが上位で女流棋士まであと1歩のC1クラスの女子研修員と飛車落ちで対局し、難なく勝利する。


 それを見ていた幹事の高田七段がぼそっと呟く。


「なんとすごい」


 そんな中高田七段は、梢子に声をかける。


「佐藤さん、今度はプロ棋士と指導対局してみませんか?」

「もしかして先生がですか?」

「いや、私ではなく……」


 そこからふすまを開けて登場したのは梢子にとっても見知った顔であり、驚きを隠せないでいた。


「いやー、どうも、暇なので呼ばれてきました」

「竹田先生!」

「皆さん、本日は私と竹田九段が指導対局を行います。まずは佐藤さん、竹田九段と対局をしてください」

「は、はい……」


 指導棋士として登場した竹田義男九段と対局をする事になった梢子。研修会試験の行方は?

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