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一歩の重さ  作者: burazu
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いざ研修会試験へ

 11月某日、佐藤梢子は自宅にいて出かける準備をしていたが、なにやら浮かない顔をしている。その梢子に対して母である美晴が声をかける。


「どうしたの梢子?浮かない顔して、今日は研修会の2回目の試験でしょう」


 梢子は2週間前の10月の第4日曜日に1回目の研修会の入会試験を受けており、本日は2回目の試験で、今回の試験で入会及び所属クラスが決まるのだ。


「だって、前回は2勝2敗だったのよ、今日の試験だって不安になるわ」

「何言ってんのよ、そのうち1敗はプロの先生だったんでしょう、いくら駒落ちでも梢子が勝つのは大変でしょ」

「それは私も納得してるけど、もう1敗は結構年下の男の子だったし、自信なくしそうよ」

「確か、その子って奨励会入りが有望な子じゃなかったっけ、まずは目の前の自分に近いレベルの人に勝つことを目標にしなさい」


 母の言葉を受けて、梢子の顔に生気が戻る。


「そうね、まずは女流棋士を目指している人に確実に勝っていかないとだめね」

「そういう事、それに先生がおっしゃってたでしょ、負けても内容が良ければ入会はできるって」

「そうね、まだあきらめるのは早いわ」

「その意気、その意気、前回はお母さんがついて行ったけど、今日は1人で大丈夫ね」


 母の言葉に頷いて、母の美晴、そして父の春秋にも出かける挨拶をする。


「じゃあ、お母さん行ってきます。お父さんも行ってきます」

「うん、頑張ってね」


 少し離れたソファーで座っている父も返事をする。


「……まあ、頑張ってこい」


 両親からの返答を受け、梢子は自宅から駅に向かい、千駄ヶ谷行きの電車に乗る。


 梢子の乗る電車が千駄ヶ谷駅に到着し、ホームから改札口に向かい、改札口を出て将棋会館に向かおうとすると後方から声をかけられる。


「ねえ、もしかして佐藤さんよね?」

「牧野さん?同じ電車だったんだ、っていうか1回しか会っていないのに私の事覚えていたの?」

「ウイナビであれだけ熱戦をした人を忘れるわけないでしょう」

「そっか、何か嬉しいな。もしかして牧野さんも将棋会館に行くの?」


 後方から梢子に声をかけたのは小夜であり、梢子の問いに答える。


「ええ、そうよ。佐藤さんは何の用事?」

「私は今日、研修会の入試を受けるの。牧野さんは対局?それとも記録係?」

「そっか今日は研修会の例会日だったわね。私は将棋会館で取材を受けるの」

「しゅ、取材⁉やっぱり牧野さんってすごいなあ……」


 偶然にも小夜と会った梢子、改めて小夜のすごさを実感した瞬間だ。

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